| 質問 松田一成 4点にわたり質問をさせていただきたいと思う。
最初に、今大変本県を直撃している新興感染症対策についてであるが、高病原性鳥インフルエンザ、兵庫県は本当にど真ん中で、結果として昨年のSARSに引き続いて、鳥インフルエンザと感染症に関する大きな事案が兵庫県を今直撃をしているわけであるが、行政も、民間事業者等も危険が目の前に迫って初めて対応に追われるということが今までの状況であった。今のところ、幸い人的被害がないということで、それはよかったが、社会的には非常に大きな兵庫県としてのマイナスのイメージがあったというふうに思っている。
ほかにも最近新興・再興感染症としては、例のマレーシアでのニパウィルス、そしてまたアメリカの西ナイル熱とか、コンゴ共和国のエボラ出血熱など、ここ30年間にわたって30種類のそういう疾患が発生しているというような状況がある。1年で新しい1種類の感染症が生まれているということで、非常に恐ろしいことだというふうに私も思っているが、もう既に死者も数百人から数千人規模で、報告されていたりとかいうことで、ある意味ではテロ以上に何となしに恐ろしいと思う。
一方で予防医学の最前線では、ワクチンの開発が非常に短期間で開発されるという時代にもなっている。去年のSARSにおいても、原因のウィルスの確定から診断法の確立まで約半年間で開発されている。そういう状況の中で、やはり私今回申し上げたいことは、危険度の高い病原体を取り扱う高度の安全実験施設・P4ということ、私も余り勉強しなかったが、こういうバイオセーフティーレベル4というのが、実は日本でも2ヵ所あったりして、世界では稼働しているのが20ヵ所も稼働しているという状況がいろいろお話を聞いた中であった。
余りこの質問は本来したくなかったが、鳥インフルエンザが出たものであるから、これはちょっと皆さんにお伺いしておきたいというふうなことで今やっているが、このように日本ではこのP4施設というのが、国立感染症研究所と理化学研究所の2ヵ所に今ある。しかし、残念なことに住民の大反対で利用のめどが全くないというような状況、このために研究者は検体をアメリカやカナダや、そういう施設のあるところに分析を依頼したり、持っていったりとかいうような、非常に日本でそれでいいのかなというように思う。
感染症対策はその撲滅を通して人類の福祉向上に貢献ができるだけではなくて、新産業も私は大きな、高水準な科学技術が高められるということで大いに期待ができると、そういうような成果で、世界中にこのことをやることによって一般家庭にも普及していくし、日本人の綿密さを考えると非常に適した分野ではないかなというふうに思っている。
こういうものに対すると、どうしてもこれは国がやることだということで、国の政策ということできっちりと明記をされているが、承知した上で、例えば兵庫県では、ご存じのようにWHO神戸センターが設置されたり、また、大型放射光施設SPring-8、こういうものがあったりとか、非常に医薬部門での活用、そして神戸市においてはこれから、今やっているが、神戸市の医療産業都市、こういうことで非常に兵庫県が医療に関して注目を今浴びている中で、このように兵庫県そのものがいろんな意味で、SARSもそうであったが、鳥インフルエンザもそうであるが、直撃を受けているのに私はこの感染症対策について、兵庫県が国に対しても積極的にかかわっていくことが大事なのではないかなと思っている。これに関してご所見をお伺いしたいと思う。
No.29 神田健康生活部長 ご質問にあったように、新しい感染症たくさん出ている中で、国の方の感染症法についても平成15年11月に一部改正されたりしているところである。例えば、SARSや高病原性鳥インフルエンザ等が最近でも新たに対象疾患というようなことにして追加された。緊急時における感染症対策の強化などが図られたところである。
ただ、基本的に国と地方自治体との役割ということについて感染症法で規定されているのは、国は、例えばワクチンの開発であるとか、治療法の解明、あるいは検査方法の開発等、研究開発の部分が中心で、さらに検疫という意味で水際で防ぐというような対応が国の方に求められている。さらにSARSについても、今回の件についても、やはり広域的な対応が必要と、そういう中で国が何をやる必要があるのかということは、今後検討する必要があるというように考えている。
一方、県、政令市については,医師の届け出に基づく発生動向調査の実施であるとか、患者に対する適切な医療の提供であるとか、感染拡大防止のための健康調査や消毒の実施であるとか、感染症予防のための正しい知識の普及啓発など、具体的な感染症対策の中心的な役割を果たすというように定められており、そういう対応をしているところである。
県として、昨年来、SARS発生に備え対応マニュアルの作成、あるいは初期対応及び入院医療機関の確保、実地訓練の実施等に取り組んできたところであるが、今後とも重大な感染症が発生した際には、迅速かつ適切な対応がとれるように、厚生労働省、国立感染症研究所、検疫所等の関係機関あるいは近隣府県等とも緊密な連携を図り、感染症対策に万全を期してまいりたいと考えている。
なお、WHO神戸センター等とご指摘があったが、WHO神戸センターについては感染症対応ということではなくて、WHOの中の機関としては、非感染症・精神衛生部門というものに属している研究機関であるが、昨年来、感染症の情報の提供に当たって積極的に対応を図っていただいている。
また、SPring-8については、薬をつくるという面で機能が期待されている。そういう意味で感染症に対する創薬ということにも期待されるところであるが、ご承知のとおり、こういった面については民間の役割が大変大きいということであって、SPring-8の運用について県としても高輝度光科学研究センター等と協力して、あるいは県のビームライン等を活用して、その支援を図ってまいりたいというように考えている。
質問 松田一成 部長が今言われたとおりだと私も思う。まず、この2年間にわたって兵庫県がこういう形で苦労していかなければいけないということは、やはり先ほど私が申し上げたように、もう30年で1年間毎年そういうものが世界で発生しているということになると、やはり危機管理の面から見ても、当然国がやることだとは思うが、意識は本当にしっかり持っておかないと、しっかりした予算をいろいろ組んだとしても、そういうことでまた補正を組まなかったりということで、かなりお金が要るわけで、日ごろからの意識を本当に我々が持つということが必要ではないかということを思っているので、このままいくと、何らかのまた新興感染症がどこかから来るのではないかということを予言しながら、次の質問にいきたいと思う。
次に、先ほど岡 委員がちょっと触れられたが、少し角度を変えて高齢者の虐待対策ということで質問をさせていただきたいと思うが、児童虐待やDVとともに最近急速に表面化している高齢者虐待。介護保険制度の導入以降にその実態が明らかになるにつれて、本格的な対応の必要性が高まっている。虐待防止の法制度が整備されているアメリカと違って、日本ではまだまだこの防止策が非常に弱いというのが現状であろうというように思っている。
主な虐待の種類には、直接の身体虐待、殴ったりけったりとか、脅迫などの心理的なものであったり、年金を取り上げたりというような経済的なものであったりとか、性的虐待、日常生活の世話の放棄をするというような、大体この5つぐらいが虐待の中身なのかなと思うが、熊本県では昨年8月に県内180ヵ所の在宅介護支援センターを対象に実態調査をしている。その中で、151名の高齢者が虐待を受けているという状況があった。虐待される側は75歳以上の後期の高齢者が77%、そのうち女性が75%ということで非常にやっぱり高齢者、当然高齢者であるが、後期の高齢者とその中の女性ということで弱者と言われる。一方虐待する側は、原因が子供や配偶者などの主介護者、いわゆる63%となっているが、虐待の背景に私は、先ほどちょっといろいろ話があったが、介護負担や介護知識の非常に不足があるというふうに思っている。
兵庫県においても、今回平成16年度の高齢者虐待防止対策事業の実施を考えているというふうに聞いた。防止策としては通報をいかにするのか、相談の窓口だったり、一時保護施設であったり、関連機関のネットワークづくりがどのようにしていくかということが一つの大きなテーマになろうかと思うが、児童虐待やDVも同じであるが、関係者が家庭内の問題に介入ができないという、一定の権限がこれから必要になってくるのではないかと思うが、そのために国に対して法整備を求めていく必要もあろうかと思っている。早期発見・早期対応、実効ある対策の構築に向けて、今後、当局のご意見をお伺いしたいと思う。
No.31 中島福祉局長 高齢者の虐待については、現在、県が把握している範囲では、県の中央高齢者総合相談センターにおいて、今年度2月末までの11ヵ月間に714件の相談があるが、そのうち高齢者虐待に関する相談は32件、4.5%である。
その内訳は、身体的虐待が10件、心理的虐待が12件、ネグレクト、いわゆる放任であるが4件、それから経済的虐待が4件、その他2件となっている。これらについては、その相談の内容に応じて県の社会福祉協議会の中に設置をしている高齢者・障害者権利擁護センター、これらを初めとする関係機関を紹介するなど、適切な対応を行っている。
国においては、居宅介護支援事業所など約2万件を対象として初めての全国調査を行っており、その調査結果を踏まえて法整備も視野に入れて、虐待防止対策に着手する方針であると聞いている。
県においては、財団法人兵庫県人権啓発協会が毎月発行している人権情報誌「きずな」というものがあるが、この人権情報誌において高齢者虐待問題についての特集記事を組んだほか、今年度、高齢者虐待問題を取り上げた県民向けの人権啓発ビデオを制作したところである。
さらに、今後、より詳細な実態把握や広く一般に啓発するために具体的な事例を盛り込んだパンフレットの作成、それから相談窓口の充実強化、関係機関のネットワークづくりなど虐待防止に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えている。 質問 松田一成 岡 委員も指摘をされていたが、私らの方もほとんど毎日といっていいほど、そういう高齢者の虐待まではいかないが、いろんな意味で、今32件という数字が出たが、私は実態としたらもっともっとあろうと思う。その中でやはり、これは介護の分野と思うが、先ほどあったケアマネジャーさんがもっとその人に合ったプランをつくってあげるようにしないと、もう本当に私どもの兵庫区なんかでは、高齢者率がもう4人に1人が65歳ということで大変な状況が今あって、医療と介護がもうむちゃくちゃになっていて、どっちが介護でどっちが医療なのかということがようわからぬようなところもあったりなんかして、ケアマネジャーの存在が本当にこれから大事だというように、私も先ほど思った。
次、聴導犬に関して少しお尋ねをしたいと思う。 昨年の10月に盲導犬に加えて介助犬・聴導犬が法的に位置づけられた。身体障害者の補助犬法というのが全面施行されている。
その中で、本県でも、平成12年に全国に先駆けて介助犬同伴利用促進要綱というのを策定し普及に取り組んできた。昨年の4月には、県立身体障害者更生相談所に介助犬の利用相談窓口を設置し、また、9月には総合リハビリセンターを運営する県社会福祉事業団が介助犬の認定のための指定法人となった。しかし、介助犬・聴導犬とも全国的にいまだ少数で、県内では宝塚の「シンシア」というのが非常に有名であるが、今のところ1頭ということで、聴導犬はいないという状況である。
そのために、聴導犬は、聴覚障害者のために、ブザーや電話の音などを聞き分けて、情報伝達や音源をその障害者の人に伝えるというような犬であるが、関係者のいろんな話をこの前お伺いさせていただいて、犬の種類や訓練方法、いわゆる他の補助犬と全く内容が違う。訓練や認定の段階で耳鼻科や獣医、社会福祉士、言語聴覚士、そのような専門職の協力体制の構築が不可欠であると言われている。平成14年の8月、厚生労働省が示した「聴導犬の訓練基準に関する検討会報告書」の中でも、訓練において聴覚障害について十分な知識や経験を持つ専門職との連携が大事だというふうにも言われている。
聴導犬の利用対象は、おおむね、私は知らなかったが、聴覚障害者で2級、1級というのはないみたいであるが、2級で本県においては6,000人ぐらいの対象者がおられるというふうに聞いている。兵庫県の社会福祉事業団は、聴導犬の認定のための指定法人になっているが、ことし2月から検討委員会をこの前されたというふうに聞いている。
まず、検討委員会の構成を私見たが、耳鼻科の医者が入ってないというのは何か理由があったのかどうかが一つ、そして聴導犬の認定に当たって、事業団が2級の障害手帳を持っているのに、また一から聴覚障害なのかどうかというのを検査するというふうに聞いたが、その件に対して2件ちょっとお伺いしたいと思う。
No.33 山本障害福祉課長 まず、今回の検討委員会、地元の整形のお医者様が入った検討委員会で検討を進めさせていただいた。平成14年8月に厚生労働省がこの認定基準に関する検討委員会の報告書を出した。また、今回の全面施行に当たって施行規則が出されているが、いずれも聴導犬の認定審査は、医師等で構成する審査委員会で行うとされている。
この医師については、利用者の状況を総合的に判断するために参画を求められているものと考えられ、特に診療科については想定されていないので、必ずしも耳鼻咽喉科に限るものではないと、このように考えている。他府県の指定法人の認定審査委員会においても、耳鼻咽喉科に限らず、整形外科等が参画しているものである。
今後とも、関係者の幅広い協力のもとに適切な普及を図る必要があると思っており、ご指摘の点についても、そのような観点から今後研究をさせてもらいたいと考えている。
また、実際の認定となった法人がどのような形で認定作業を進めていくかという具体については、今回の検討委員会の報告を受けて事業団において今後検討が進められていくものと考えているので、その中で私ども協力しながら、適切な指定認定がなされるように努めてまいりたいと思っているので、どうかよろしくお願いしたい。 質問 松田一成
障害の2級であり、耳が聞こえない、しゃべれないということはわかっているわけであるから、その人から見れば1から10までまた調べられるということの苦痛があるわけで、そういうことをしっかり手続の中でお願いしたいと思う。
最後になるが、助産師の役割についてお伺いしたいと思う。 昔はどの家でも四、五人の子供が、私らもそうであるが育ってきた。忙しい親にかわって子供の面倒を見たのが祖父母の時代というのは私らもあった。どちらかというと母親よりもおばあちゃんに育てられたという記憶があるが、出産や子育てには不安やストレスは避けられず、それを軽減してくれるのがそういう存在であったというふうに思っている。経済的に豊かになって核家族化・少子化の中で生まれ育った今の若いお母さん、お父さんたちの身近には、そうした「おばあちゃん的な存在」が今なくなったのではないかなということが言えると思う。
一方、最近、児童虐待をめぐる悲惨なニュースが続いているが、その要因として親の生育歴、経済困窮、夫婦間、社会的孤立、親の子供への感情や子供問題などさまざまなものが挙げられると思う。しかし、その背景には、親の心理であったり、社会的側面の問題が非常に大きい。特に乳幼児への虐待のケースでは、周産期に既にそのリスクを背負っているということも議論されている。
今、病院でお産する人が非常に多いわけであるが、今の病院は皆さんご存じと思うが、ホテルと同じような、西洋料理が食べられるような、お産しに行っているのか何かわからぬような、非常に豪華なそういう病院がはやるということが言われている。高度生殖医療の研究も進んでいるが、お産は医療ではなくて介助として私はとらえるべきであろうと思っている。そして妊娠から出産、さらに育児まで親子を心身ともに継続的・総合的にケアし、サポートすることの必要を考えたときに、助産師の「おばあちゃん的な存在」となるような、助産師の業務というのは大変重要な意味をこれから持ってくるのではないかなと思っている。
また、女性は妊娠・分娩・産褥期の体験やケアによって母性意識の形成、母親の役割に大きな影響を受けるとされている。子供が生まれる前から妊産婦とかかわる助産師は、最も早期に虐待のリスクを察知し予防する、いわゆるキーパーソンになっている。
そこで、現在、行財政構造改革推進方策において、「総合衛生学院の助産師課程については、県内の需給状況を踏まえ、あり方を検討する」というふうに聞いている。当局として、これからのお産は医療としてとらえるのではなくて、私の考え方では介助としての考え方、これについてお考えをお伺いしたいと思う。
No.35 大橋医療課長 助産師は、分娩の介助や新生児の育児支援を通して、母親と子供の二つの生命を守るとともに母子の愛着形成を促進し、母子と家族の健康を守る重要な役割があると認識しているところである。
また、少子・高齢化の進展に伴って、助産師には、乳幼児の育児支援や妊産婦・思春期・更年期など女性の生涯を通じた健康問題に係る教育・相談・援助を行う役割があると考えている。
昔のように、地域社会が育児にかかわることが少なくなってきた今日、委員ご指摘のとおり子育て不安や児童虐待が生じてきていることなどから、県としては育児不安やストレスへの対応としてまちの子育てひろば事業を実施し、子育て中の親が気軽に集い、子育ての悩みを解消し、情報交換できる身近な拠点づくりに取り組んでおり、こうした場にも専門的知識を有する助産師が積極的に参画していただきたいと期待しているところである。
松田一成 以上をもって質問を終わらせていただく。 |