平成16年度11月決算特別委員会

質問 松田一成 1 15年度の決算の状況について

 昼のトップバッターである。公明党を代表して、平成15年度の歳入について質問したい。

 その前に、平成16年度も、早いものでもう1ヵ月を切った。師走を感じられないような暖かさであるが、ことしは、1月から、いろいろ考えてみたときに、復興支援のもとでイラクに人道支援で自衛隊が派遣で行ったり、鳥インフルエンザであったりとか、いろんな事件があった。  しかし、後半になってくると、世界に日本がもう1回PRできたオリンピックが、史上最大の金メダル、銀メダル、銅メダル、合わせて32個ということで、大変なにぎわいを見せた。特に女性の活躍が光った年ではなかったかと思う。

 後半には、先ほどから少し話があったが、台風23号の影響があったり、中越地震、再度災害に関する、そういうことをもう1回見直す必要がある1年ではなかったかと思いながら、15年度の歳入の質問をしたい。

 まず最初に、15年度の決算の状況について2点伺いたい。

 三位一体改革は、平成15年度では「改革の芽出し」という表現がなされてきた。義務教育費国庫負担金等の一般財源化及び公共事業関係費の削減が実施されて、特に義務教育費国庫負担金のうち共済長期負担金等の2,344億円が削減された。平成16年度には2,051億円が所得譲与税として税源移譲された。

 本年度、本県の決算での国庫補助負担金、すなわち国庫支出金の決算額については、義務教育費国庫負担金等の一般財源化及び公共事業関係経費の減により、前年度を約141億円下回る2,600億円で、対前年度に比べると94.8%となっている。

 平成15年度決算における義務教育費国庫負担金の一般財源化の影響はどれほどあるのか、また、その他の減額要素について、伺いたい。

答弁 竹本財政課長

 平成15年度は義務教育教職員に対する共済の長期給付及び公務災害補償に係る国庫負担金が一般財源化された。本県の影響額は約90億円と試算している。

 このほか、国庫補助負担金が前年度に比べ141億円の減となったが、その主な理由としては、平成14年8月から児童扶養手当の支給事務が都道府県から市に移管されたことに伴って、約78億円の減額となったためである。

質問 松田一成

 地方交付税について伺いたい。  三位一体改革では、地方交付税について見直しが行われている。その中で本県でも地方交付税は、歳入総額の約2割、県税に次いで大きなウエートを占める状況であるが、平成14年度収入額は前年と比較して3.2%の増であったが、平成15年度は一転して7.9%の大幅な減となっている。

 そこで、平成15年度の地方交付税の減少要因を伺いたい。

答弁 竹本財政課長

 平成15年度の地方交付税収入額は3,985億7,300万円で、ご指摘のように、対前年度比7.9%減の92.1%となっている。  これは地方財政対策として、地方交付税から臨時財政対策債に振りかえがなされた。ここでいう臨時財政対策債、本日の午前中にもたびたび出てきたが、地方財政計画における財源不足額、これは従来、国の交付税特別会計の借入金によって対応し、交付税としてそれぞれの地方団体に配っていた。  平成13年度より、その2分の1が臨時財政対策債により地方が起債を発行して対応するというふうに変わった。したがって、地方交付税は、先ほど申したように、前年を下回っているが、この臨時財政対策債を合わせた総額では5,012億5,900万円である。これは前年度に対して277億6,900万円、5.9%の増となっており、全国ベースで見た場合105.1%の伸びなので、それを若干上回るものかなと考えている。

質問 松田一成  地方交付税の改革に対する現況の評価について

 次に、地方交付税の改革ということで伺いたい。

 去る11月26日に政府・与党合意の三位一体改革の全体像が示された。私の方から、地方交付税改革に対する評価を伺いたい。

 今回の改革の全体像では、「地方交付税については平成17年度及び平成18年度は地域において必要な行政課題に対しては適切に財源措置を行うなど「基本方針2004」を遵守することとし、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保する。あわせて、2010年代初頭における基礎的財政収支の黒字化をめざして、国・地方の双方が納得できる形で歳出削減に引き続き努力をする。平成17年度以降も地方財政計画の合理化、透明化を進める。税源移譲に伴う財政力格差が拡大しないようにしつつ、円滑な財政運営、制度の移行を確保するため、税源移譲に伴う増収分を、当面基準財政収入額に、現行の75%を100%算入する」となっている。

 「決算を早期に国民にわかりやすく開示する。平成17年度以降、地方財政計画の計画と決算の乖離を是正し、適正計上を行う。その上で、中期地方財政ビジョンを策定する。不交付団体の割合の拡大に向けた改革を検討する。引き続き交付税の算定方法の簡素化、透明化に取り組む。また算定プロセスに地方関係団体の参画を図る」となっている。

 一方、財務大臣が提出した資料によると、財務省は総務省に対して、地方財政計画の切り詰めにより7兆円から8兆円の交付税等の削減が可能であるとして、地方交付税の財源保障機能の見直しや一方的に地方歳出の見直しを迫るなど、予断を許さない状況にあると思う。

 そこで、地方交付税の改革に対する現況の評価について伺いたい。

答弁 荒川企画管理部長

 地方交付税の改革についてであるが、このたびの三位一体改革の政府・与党合意においてご紹介があったように、平成17年度及び18年度は、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源総額を確保するとなっており、この点については評価できるだろうと思う。

 その一方で、平成17年度以降も、地方財政計画の合理化、透明化を進めることとされていることや、これも委員からご指摘あったが、財務省において、地方交付税の財源保障機能の縮小であるとか、一方的な地方歳出の見直しなどが主張されており、本県にとって必要な地方交付税が確保できるのかどうか心配もしているところである。

 いずれにしても、今年度当初予算のときのように、国の財政負担の軽減が目的となった地方交付税の一方的な削減が行われることがないように、今後の国の予算編成作業の動向に注意していかないといけないと思うし、引き続き地方交付税総額の確保について、知事や県議会議長など、本県の地方六団体で構成をする兵庫県地方分権推進自治体代表者会議や全国知事会などとともに国に強く働きかけを行っていきたいと思っている。

質問 松田一成  県債について

 努力をお願いしたい。  続いて、県債について3点ほど伺いたい。  平成15年度一般会計決算では、義務的経費である公債費は前年度比4.7%増加しているが、現在のような厳しい財政運営の中では、公債費抑制の観点からも、効率的な資金調達が不可欠であり、より有利な起債運営が重要性を増してきている。

 一方、平成13年度からの財政投融資改革により、これまでは優良な資金であるとされていた政府からの資金の地方への配分は削減方向にあり、その結果として、民間からの資金の割合が増大しつつあると聞いている。

 その中で民間資金の場合、より市場原理が重視され、また、これまでの政府資金のような安定的な調達ができるのかというと少し不安が残る。調達額が増加する中で安定的な県債消化ができなければ、行財政運営に支障が生じる。  そこで、平成15年度における民間資金の割合と、民間資金による県債の円滑な消化のための考え方を伺いたい。

答弁 藤田資金管理課長

 15年度発行の起債3,164億円のうち民間資金によるものは2,494億円で、78.8%を占めている。これは、財政投融資改革前の平成12年度の57.4%と比べると、ご指摘のとおり、民間資金に大きくシフトしている。

 このような中、民間から円滑かつ安定的な資金調達を行うためには、県債が投資家にとって買いやすく魅力ある商品となるようにしていく必要があると考えている。

 このため、平成12年度から10年債に加え5年債を発行し、償還年限を多様化しているほか、14年度以降、流通性の高い市場公募債のウエートを高め、かつ、定期的、継続的な発行を行うことで売買しやすい商品とするなど、商品性の向上に努めている。また、県民個人向けの県債である「兵庫県民債」の発行や、県下の市町や他府県等との市場公募債の共同発行など、銘柄の多様化や投資家層の拡大にも努めているところである。

 さらに、県債の償還の確実性や県の財務状況の健全性を説明するIR活動、いわゆる投資家向けの情報提供も積極的に実施し、県債の購入促進やPRにも努めている。

 今後とも、これらの取り組みを促進し、県債の魅力を高め、円滑な消化を図ってまいりたい。

質問 松田一成  県と市町の共同発行について

 さまざまな努力をされているということがよくわかった。

 次に、今も話があった県と市町の共同発行についてである。

 住民を対象としたミニ市場公募債が全国的に発行されるようになってきている。このことは地方債の多様化であったり、地方債の個人消化の促進という観点から非常にいい方向ではないかと思う。兵庫県では今、話があったように「兵庫県民債」を平成14年6月から、話に聞くと群馬県に次いで2番目に発行され、先駆的な取り組みであろうと思う。

 兵庫県では、平成15年度、全国で初めて県と市町が共同で公募債を発行している。

 そこで、起債を発行した理由と、発行に至るまでの経緯、ねらいなどについて伺いたい。

答弁 藤田資金管理課長

 従来、県下市町の資金調達は政府資金が中心で、民間資金については、金融機関等から縁故での借り入れということになっていた。  しかしながら、財政投融資改革等により政府資金の先細りが見込まれるとともに、収益構造の改革を進める金融機関からの借り入れ条件が厳しくなるなど調達環境の悪化が懸念されてきていた。

 このため、市町においても、自己責任で市場から資金を調達するなど、調達先の多様化を図っていくことが今後必要になってくるものとの認識を持っていた。  このような中、市町が個別に公募債を発行するということになったら、発行規模が小さい、または市場での知名度が低いなどの理由により、発行条件が不利になるなど、事実上発行が困難になることが予想されていた。  そこで、発行規模を確保するとともに、県の信用力を背景に、より有利な条件での発行を可能とするため、県と市町が共同発行することを検討してきた。

 この共同発行方式により、市町は市場から容易に資金調達できるようになるとともに、一方、県としても、銘柄の多様化が図れるなどの効果があると考えている。

 このようなねらいを市町に説明し参加を打診してきたところ、伊丹市など5市から賛同を得たため、平成15年5月に第1回ののじぎく債として、県市町共同公募債を発行してきたところである。

質問 松田一成

 今ご答弁あったように、全国に先駆けての発行であろうと思うので、どうかこれからも成功をしなければいけないと思う。

 今、経緯やねらいを伺ったが、次に、その評価についてはどのようにお考えか伺いたい。

答弁 藤田資金管理課長

 評価であるが、15年度の5市との共同発行に引き続き、16年度にも8市と共同公募債を発行してきたところである。県と市町と共同で公募債を発行するということは、最近の地方債改革の流れの中でも先駆的な取り組みの一つとして、発行市町であるとか、金融機関からも評価をいただいているものと考えている。

 具体的には、市単独でのミニ公募債発行よりもコスト的に有利であるとか、市単独での発行が困難なため、共同公募債の発行により資金調達方法の多様化が図られた、あるいは証券発行のノウハウが取得できたなど、肯定的な意見が大半である。

 このため県市町共同公募債は、市町が資金調達の多様化を図り、安定的に資金調達をしていく方法の一つとして、今後も重要な役割を果たしていくものと考えている。

質問 松田一成  IR活動について

 5市から8市ということで、これからも期待をしたいと思う。

 次に、機関投資家へのIR、いわゆるインベスター・リレーションズと言うらしいが、このIR活動について伺いたい。

 株式会社などでは投資家に経営状況や事業概要などを報告して、会社経営への理解やイメージアップを図り、資本市場からの資金調達を容易にするため、投資家説明会であるIR活動を盛んに行っている状況である。昨今では、地方自治体でもIR説明会を行い始めたとのことであるが、本県としては、このような活動をどのように考え、どのような活動を行っているのか、伺いたい。

答弁 高井企画調整局長

 県債を円滑に発行し、投資家の皆様に消化していただくためには、県債そのものの安全性、あるいは発行団体の財務状況の健全性などの情報をわかりやすく投資家に提供し、購入を促進するための情報提供活動が重要であると考えている。

 そのため平成14年度から毎年東京で、全国に30弱ある市場公募債の発行団体が共同でIR説明会を行っているし、また、平成15年度からは、これとは別途、兵庫県独自のIR説明会を東京で始めたところであり、今年度も、去る11月に東京で、投資家・金融機関等にお集まりいただき、本県の財政状況や行財政構造改革の推進状況などを説明したところである。  さらに、このほか機関投資家への個別訪問による説明も実施しているところである。

 最近のこうした活動に加えて、かねてから実施している兵庫県債を引き受けていただいている12の証券会社、16の金融機関から成るシンジケート団の皆様方を対象とする県の財務状況などの説明会も引き続き開催しているし、ホームページあるいはパンフレットなどで広く情報提供を行っており、今後とも、ありとあらゆる機会を使って、県債の円滑な消化に向け積極的なIR活動に努めていきたい。

質問 松田一成  バランスシート等について

よろしくお願いしたい。

 次に、バランスシート等について2点ほど伺いたい。  財政状況をわかりやすく県民の皆様に理解してもらうため、財政公表や投資事業評価制度等に加え、民間企業であれば一般化している企業会計的手法を用いて、資産と負債の状況を総合的に把握するバランスシートの公表が平成11年度決算から行われている。減価償却費などの非現金支出を含めた、行政活動に係るコストを把握するための行政コスト計算書の公表が平成12年度から行われている。

 そこで、この取り組みの意義について、まず伺いたい。

答弁 竹本財政課長

 従来から、現金主義による現行の官庁会計では、それがなかなか地方公共団体が実施する行政サービスに要するコストとか、行政活動の資源となる資産・負債の状況について、なかなか全体像がわかりにくいというご指摘も一方であったところである。

 こうしたことから、本県では、財政状況に関する情報を提供する一つの手法として企業会計的手法、いわゆる企業会計原則等に基づく手法を活用し、他府県に先立ち平成11年度決算からバランスシートを、そして12月度決算から行政コスト計算書を作成している。

 これらはいずれも普通会計決算額をもとに、バランスシートは減価償却等発生主義の観点からの取り扱いを加え、資産・負債等のストックの状況を示すもので、経営資源とその資金調達財源を明らかにしている。また、行政コスト計算書は行政サービスの提供状況をコスト面から把握するものである。

 本県が作成した後、他府県においても、バランスシート、行政コスト計算書を作成する団体がふえてきている。このため他府県との比較も可能となり、より本県の特徴を分析することができるとともに、普通会計決算額をもとに、同一の基準で毎年作成していくことにより経年分析も可能となり、本県の財政分析などにも活用できるものと考えている。

質問 松田一成 作成・公表の充実について

 特に県民の皆さんにわかりやすく、これからもよろしくお願いしたい。

 次に、作成・公表の充実についてである。  バランスシートとか行政コスト計算書は、他府県との比較による現状評価とか、行政分野ごとに社会資本がどのように形成されてきたか、あるいは、どういう分野に特に力を入れてきたかなどを経年比較により分析するツールとして有効であるとされ、総務省もバランスシートで採用されている複式簿記の要素を取り入れ、地方自治体が作成する予算書や決算書を見直す方向で検討が進められていると聞いている。

 本県の場合、平成12年度から、バランスシートの作成、公表といった取り組みが進められているが、その内容について、さらに住民1人当たりのバランスシート、あるいは行政コスト計算書、目的別行政コスト計算書、バランスシート・行政コスト計算書の経年比較のできる資料として、この取り組みを充実させ、県民にとってよりわかりやすい形で財政状況を示していくことが大事だと思うが、所見を伺いたい。

答弁 竹本財政課長

 財政状況に関する情報提供の一つであるバランスシート、行政コスト計算書を単に作成をしただけで終わらせないためには、財務分析などを行うとともに、その充実を図っていかなければならないことは委員ご指摘のとおりである。  このため、本年度においては、バランスシート、行政コスト計算書の経年比較を行うとともに、1人当たり行政コストを算出し、類似府県との比較を行うなど、財務分析の充実に努めたところである。

 また、企業会計も連結した「全会計連結バランスシート」を作成するとともに、地方自治法に基づき県議会に経営状況を報告させていただいている団体も含めた全会計及び県の出資等に係る法人との連結バランスシートも作成したところである。  今後とも、委員からのご指導もいただきながら、バランスシート、行政コスト計算書の充実に向け努力を重ねてまいりたいと考えている。

質問 松田一成  個人県民税について

 さらに県民の皆さんにとってわかりやすいということで、よろしくお願いしたい。

 次に、個人県民税について3点ほど伺いたい。  平成15年の日本の完全失業率が5.3%と依然として高どまりの状況にある。とりわけ近畿地方では6.6%ということで、全国10地域中、北海道の6.7%に次いで全国2位ということで非常に厳しいことがうかがえる。

 こうした中で近年の個人県民税の現年課税額について見ると、平成11年度に恒久的な減税が実施されて以降、翌12年度から15年度に至るまで4年連続して前年割れを続けている。県民の所得の減少傾向がうかがわれるが、具体的に、個人県民税の納税義務者数について、また平成11年度以降5年間の状況がどのようになっているのか、また、その原因をどのように考えているのか伺いたい。

答弁 宗野税務課長

 平成11年度以降の個人県民税の納税義務者数を見てみると、平成11年度は245万8,000人であったものが、平成12年度で242万8,000人、13年度で242万人、14年度は240万6,000人、15年度は235万7,000人と、4年連続で減少し、11年度から15年度にかけて10万人、対11年度比で4.1%の減少となっている。

 これを特別徴収、普通徴収の別で見てみると、まず、納税義務者数の約6割を占める給与所得者に係る特別徴収分では、平成11年度分が150万6,000人であったものが、毎年度減少し、平成15年度では139万7,000人で、11年度に比べ10万9,000人の減、対11年度比7.2%の減少となっている。

 一方、給与所得者以外の普通徴収分での納税義務者数においては、平成11年度は95万1,000人で、12年度は減少した後、13年度、14年度は退職者数の増加、公的年金受給者数の増加等により2年連続で増加し、15年度は、また前年度比98.4%の96万人と減少したところである。11年度に比べると9,000人、0.9%の増加となっている。

 こうした状況から見てみると、全体として納税義務者数の減少の原因としては、委員ご指摘の高失業率等に代表される雇用環境の悪化があるのではないかと思われる。

質問 松田一成

 10万人減ということで、非常に厳しい雇用環境が個人県民税の税収に大きな影響を及ぼしているということがよくわかった。

 そこで、今度は、平成16年度の個人県民税の定期課税では、納税義務者数や課税額はどのようになっているのか伺いたい。

答弁 宗野税務課長

 16年度の個人県民税の定期課税の状況については、納税義務者数が230万7,000人と、普通徴収での公的年金受給者数等が増加したことにより、前年同期比で100.4%と、わずかではあるが増加したものの、課税額については、特別徴収分では厳しい雇用環境から、また、普通徴収分では営業所得の落ち込みなどから、1人当たり税額が前年を下回る状況にあり、全体としては927億1,000万円、前年同期比96.8%と減少している状況である。

質問 松田一成

 給与所得者数及び給与の総額が前年を下回ったというのは、企業が今盛んに行っているリストラであったり、賃金カット等による一層の合理化を進めたことが大きな要因の一つであろうと思う。  それでは、個人県民税において、企業がリストラを進めたことによる失業者及び所得が激減した人たちに対する救済措置はどのようなものがあるか教えていただきたい。

答弁 宗野税務課長

 個人県民税の賦課徴収については、地方税法の規定により、市町が市町民税の賦課徴収と合わせて行うこととされており、市町が条例に基づいて市町民税を減免した場合には、個人県民税も同じ割合で減免されることとなっている。  個人県民税は原則として前年の所得に対して課されるものであるため、実際の納付の時点においては、所得の発生したときと比べて大きく個人の収入の状況が変わっていることもある。このため、神戸市ほか多くの市町においては、リストラによる失業等により所得が大きく減少した納税者に対して、前年の所得金額に応じ一定の割合で減免する等の措置が講じられており、こうした場合には個人県民税も同じ割合で減免されることとなる。

質問 松田一成  不動産取得税について

 どうか一人一人の状況をよく聞いて、対処をよろしくお願いしたい。

 次に、 どうか一人一人の状況をよく聞いて、対処をよろしくお願いしたい。  次に、不動産取得税についてである。  国土交通省の発表によると、平成15年度の新設住宅の着工戸数は、全国で約117万戸、対前年度比2.5%増となっている。しかし、県内では約4万2,000戸ということで、対前年度比3.3%減と昨年度に引き続き減少したということである。

 また、平成16年1月1日時点の公示地価においては、全国平均で、住宅地で対前年比5.7%の減、商業地においては7.4%の減、また、県内では、住宅地が8.5%の減、商業地が10.2%の減と大幅に落ち込んでいる。住宅地と商業地においても大体3%ぐらい全国平均より高いということで、不動産取得税を取り巻く環境が非常に厳しいと言わざるを得ないと思う。

 不動産取得税については、これら住宅の着工状況や地価動向のみならず、住宅以外の家屋や土地取引の状況も大きく関係してくると思う。  そこで、平成15年度の課税状況は、家屋と土地の別にどのようになっているか伺いたい。 である。  国土交通省の発表によると、平成15年度の新設住宅の着工戸数は、全国で約117万戸、対前年度比2.5%増となっている。しかし、県内では約4万2,000戸ということで、対前年度比3.3%減と昨年度に引き続き減少したということである。

 また、平成16年1月1日時点の公示地価においては、全国平均で、住宅地で対前年比5.7%の減、商業地においては7.4%の減、また、県内では、住宅地が8.5%の減、商業地が10.2%の減と大幅に落ち込んでいる。住宅地と商業地においても大体3%ぐらい全国平均より高いということで、不動産取得税を取り巻く環境が非常に厳しいと言わざるを得ないと思う。

 不動産取得税については、これら住宅の着工状況や地価動向のみならず、住宅以外の家屋や土地取引の状況も大きく関係してくると思う。  そこで、平成15年度の課税状況は、家屋と土地の別にどのようになっているか伺いたい。

答弁 宗野税務課長

 不動産取得税の平成15年度の現年調定額は230億4,500万円、対年前度比90.1%となっている。これを家屋、土地の別に見ると、中古住宅については、課税件数の増加、課税標準額が5,000万円以上の大規模課税分の増加等により、課税額が50億3,900万円となり、対前年度比103.3%と伸びたものの、新築家屋について課税額が57億9,500万円、同77.0%と前年度を下回ったことにより、家屋全体では108億3,500万円、同87.3%と前年度を下回った。  また、全体の課税額のうち半分強を占める土地については、課税件数が増加したものの、大規模課税分が減少し、また、大規模以外分も減少したことにより、課税額が122億1,000万円で、対前年度比92.7%と前年度から減少した。

 なお、課税件数が増加しているにもかかわらず課税額が減少しているのは、平成15年度税制改正の影響があると考えている。

質問 松田一成 

 さきに申し述べたように、地価の低落に加えて、税制改正の影響が相当厳しい状況にあると思う。改めてこれが浮き彫りになった。こうした状況は本年度も引き続いているものと思われる。

 今年度の10月末までの不動産取得税、昨年は資料にあったが200億程度だったと思うが、10月末の不動産取得税の課税状況がわかれば教えていただきたい。

答弁 宗野税務課長

 不動産取得税の平成16年度10月末の現年調定額は124億900万円、対前年同期比89.9%となっている。  これを家屋・土地の別に見ると、まず、家屋については、中古家屋について、大規模以外分が前年を上回ったものの、大規模分が前年の伸びの反動により下回ったことから、対前年同期比99.0%と前年度を下回った。新築家屋については、大規模分、大規模以外分ともに減少し、91.5%と前年同期を下回ったことにより、家屋全体では95.3%と前年同期を下回っている。

 次に、土地については、課税件数が増加しているものの、地価下落の影響等により、1件当たりの課税額が減少していることから、課税額は85.6%と前年同期を下回っている。

質問 松田一成 

 今おっしゃられたように、税制改正等の影響があったということが大きな要因だと思う。しかし、税収が伸び悩んでいる現状の中で、今のこのような状況を少しでも税収を確保するという観点から見ると、どうしても確保することが非常に難しい中、どのようにして県としては取り組んでおられるのか、具体的に内容を伺いたい。

答弁 宗野税務課長

 県税収入の確保については、各県税事務所において、課税・管理・徴収の各部門の緊密な連携に努めながら取り組んでいるところである。  不動産取得税に係る具体的な取り組み内容であるが、まず、課税面の取り組みについては、課税客体を完全に捕捉するために、法務局において登記資料により移転不動産を調査するとともに、中間省略登記等未登記移転不動産についても別途捕捉調査を行っている。また、特に大規模建築家屋については、工事中の段階からその把握を行い、早期の課税に努めている。  一方、徴収面の取り組みについては、不動産取得税では高額課税者が多いため、それらの事案について、家屋の調査時等課税の前段階から納期内納付督励に努めている。

 納期内納付が行われずに滞納となったものについても早期に現地訪問を行い、滞納者の実態把握に努めるとともに、納税交渉に応じない悪質滞納者に対しては、徹底した財産調査を行った上で、課税物件も含めた財産の差し押さえを執行する等により、税収確保及び収入未済額の縮減に努めている。

質問 松田一成  電子申告に対する取り組みについて

 まじめに払われている方もおられるわけで、不公正のないように努力をお願いしたいと思う。

 次に、予算委員会でも質問させていただいたが、電子申告に対する取り組みについて3点伺いたい。

 最近の報道によると、地方税に係る電子化については、都道府県や政令市が中心となって設置された地方税電子化協議会が開発を進めてきた法人二税電子申告システムが完成見込みとなり、平成17年1月から本県でも法人二税、いわゆる法人事業税、法人県民税の二税の申告手続の電子化を開始するようである。

 システムの整備に当たって、このように自治体が連携して電子化を進めることにより、納税者の利便性の向上が期待できるといったメリットも予想される。  そして、電子申告によるサービスが始まると、手続の際、直接自治体の窓口に出向かず、パソコンからいつでもどこでも行える等、利便性が飛躍的に増大すると考えられる。さらに、税務事務にとっても、その簡素化、効率化に役立つものと考える。 電子申告に向けた全国的な取り組み状況は、現在どのようになっているか伺いたい。

答弁 宗野税務課長

 地方税電子申告については、総務省を中心に検討が行われており、平成14年度末に、県税としては、申告頻度が高く納税者も多い法人二税等を優先的に導入するとの方針が出されるとともに、平成15年8月7日には、都道府県・政令市が共同して電子申告システムを運営する地方税電子化協議会が設立されたところである。

 地方税の電子申告の具体化に当たっては、全国の自治体が共同で導入することにより、多数の自治体に申告する納税者の利便性が向上するとともに、システム開発や維持管理費の軽減に寄与すると考えられるため、本県も地方税電子化協議会に参画しているところである。

 現在、この協議会において、本県を含め先行的に導入する府県と連携をしながら、全国共同システムとして地方税電子申告システムの開発が進められており、平成17年1月から法人二税について、本県を含む6府県がまず導入し、1年後の平成18年1月には、全都道府県・政令市でシステムの本格運用が開始される予定となっている。

質問 松田一成

 6府県ということなので、早い段階からということだと思う。  既に国税等においては電子申告が始まっているが、地方税の電子申告の早期導入により、法人側のメリットをふやすことが期待される。全国的な取り組みを踏まえて、兵庫県において導入に向けた対応はどのようになっているのか伺いたい。

答弁 宗野税務課長

 本県では地方税電子化協議会のシステム整備スケジュールに合わせて申告書を審査するためのコンピューター機器等の整備を進めるとともに、全国共同システムと接続する本県の税務電算システムについても、既存のシステムの修正、本県の事務処理に即して付加すべきシステムの開発やテストを現在実施しているところである。  システムの運用開始については、まず、平成17年1月21日から法人二税の電子申告を利用するための事前の届出をインターネットで受け付けることとしており、その後、2月からインターネットを利用した電子申告の受け付けを開始する予定である。  また、電子申告システムの利用促進を図るため、事前に各法人に電子申告の利用案内のリーフレットを送付するほか、ホームページによる広報や税理士会への周知など、地方税電子化協議会や他府県とも連携した広報を実施することにより、電子申告の普及に努めていきたいと考えている。

質問 松田一成

 税金の電子申告のメリットはやはり大きなものがあると思う。1月からであるが、当面のこととはいえ、その対象が法人二税だけということでは、利便性の向上や事務の効率化の面でも、その効果は限られてしまうのではないかと思う。  そこで今後の拡充予定を伺いたい。

答弁 高井企画調整局長

 地方税電子化の今後の拡充については、現在、先ほど来名前の出ている地方税電子化協議会を中心に検討が進められており、その中で、まず、法人二税については、近くスタートする電子申告に加えて、それ以外の各種の申請、届出の電子化、さらには電子納税の導入が考えられている。さらに、納税者サービスを拡大するために、この法人二税以外の税目についても、平成19年度中の導入をめざして、現在、各種の議論がなされているところである。  地方税の電子化の推進を図るためには、このように全国共同で取り組むということが納税者の利便の向上はもとより、効率的な開発を実施できるというメリットもあるので、今後とも、私どもとしては、この地方税電子化協議会での検討に参画するとともに、その動向を見定めながら、一方で本県で必要となるいろんな機器、あるいはシステム整備を全体の検討におくれることがないように、こちらの作業も順次進めていきたいと思っている。

質問 松田一成

 以上で質問は終わらせていただくが、三位一体改革が進む中で、平成17年度の予算も大変厳しい予算になろうかと思うが、当局の皆さんにおかれては、一層ご尽力をいただいてよろしくお願いしたい。

 

12月7日

質問 松田一成  ディーゼル自動車の運行規制について

 今、岡 委員からDV対策や予防介護、我が党の我々が本来であれば一番に質問をしなければいけないが、さきに質問をされたので、私は、ほかの角度で質問をしたい。

 最初に、ディーゼル自動車の運行規制について、2点伺いたい。  兵庫県でも、昨年の9月定例県会議において、「環境の保全と創造に関する条例」を改正し、本年の10月からディーゼル自動車の運行規制を開始した。

 この規則は、昨年10月から施行され、「自動車NOx・PM法」による車種規制、いわゆる、対策地域外から対策地域内への流入に対する不適合車両を制限できないことから、環境基準の達成が特に危惧される阪神東南部地域において、車両総重量8トン以上のトラック、バス、このようなことで運行を規制しようとするものである。

 また、この規制は、首都圏の粒子状物質を対象としたディーゼル自動車規制に続くもので、窒素酸化物も対象にした運行規制という意味では、全国でも先駆けをし、注目を集めている。

 先般、街頭検査等規制の監視状況が新聞で取り上げられていた。今後、その経過措置、1年間の経過措置であるが、この関係で運行規制の対象となる車両もふえるであろうと思っている。実効性のある規制を確保していくことが重要な課題だと思っている。

 そこで、街頭検査や運送事業者に対する立入検査の状況、そしてまた、運行規制の実効性を確保するための今後の取り組みの状況について伺いたい

答弁 阿多大気課長

 運行規制の開始から2ヵ月が経過した。運行の監視として、路上で直接車両を停止させ、車検証により違反車を検査する街頭検査を行っている。国道43号線における延べ5日間の検査で、検査車両76台のうち、基準適合車両が32台、不適合車両ではあるが適用猶予期間中のものが44台で、違反車両はなかった。

 また、県下の自動車NOx・PM法の対策地域外における運送事業者への立入検査では、49社221台の車検証等を確認したが、基準適合車両67台、不適合車両ではあるが猶予期間中のものが154台、適用猶予期間の切れた車両はなかった。  さらに、走行車両のカメラによる検査を国道43号、171号等の規制対象地域で延べ13日間の検査を行っており、現在、神戸運輸監理部へ違反の確認のため、車検証のデータを照会中である。

 これら各種の検査で違反が判明した車両については、使用者に対する文書指導、立入検査、改善方法についての報告徴収を求めるほか、悪質な場合には、条例に基づく措置命令の適用や県警への告発も含めた毅然とした措置を行うこととしている。  今後、規制対象車両の増加が見込まれるので、県警、県民局ともこれまで以上に連携し、効果的な検査を行い、実効性を確保してまいりたい。

質問 松田一成

 順調にいっていると、この前もお伺いしたが、やはり1年間の猶予期間があることで、ここのところが違反車両がない一番の要因だと思っているが、いよいよ来年度以降、本格的な規制が始まるわけで、周知も含めてお願いをしたい。  次に、自動車NOx・PM法の車種規制や条例の運行規制に適合するためには、現在のところ、排気ガス低減装置の装着可能な車種が一部に限られているため、車の買いかえや借りるという報告しかない。

 兵庫県では、本年1月の条例施行に伴い、買いかえのための各種の支援策を講じている。私が知っている限りでは、まだまだ十分わかっていない事業者が多くおられる。昨日もある忘年会でトラック業界の方とお話しする機会があり、やはり、小さい会社になればなるほど、支援策がどんなものがどうあるのかなどが、なかなかトラック協会の会合にも出ていない方、こういうところの対処は非常にまだまだ理解をされていない感じがした。

 そこで、規制の実効性を確保するために、事業者に対して、各種検査の実施だけではなくて、規制内容や支援策の周知を徹底し、いわゆる、猶予期間中に車の買いかえ等の措置をとってもらうことがこれから大事であると思う。  そこで、運行規制に伴い、支援策の周知、これからどのように進められるかを伺いたい。

答弁 阿多大気課長

 周知の徹底については、規制開始以前から他府県やトラック協会等関係団体に対し、ポスターやパンフレット等を配布し、周知を依頼したほか、特に規制開始の直前、直後においては、ラジオスポット放送、横断幕、道路情報板等により、重点的な啓発活動を展開した。  また、県内事業者に対しては、支援策を含め、事業者向けの説明会を開催するとともに、各種団体からの要請に応じ、パンフレット等により説明を重ね、理解と協力を求めてきた。  今後、規制対象車両が増加していく中で、実効性を確保するためには、規制内容と支援策の一層の周知が必要であると認識しており、今後も、パンフレット、リーフレット等の配布、ホームページへの掲載、さらにはトラック協会等関係団体への周知依頼を強化していくこととしている。  また、街頭検査等の状況を踏まえ、他府県の車両を含む適用猶予期間中の車両の使用者に対し、文書等による注意喚起を促すとともに、支援策の周知を行うほか、他府県や商工会議所等関係団体に対しても、流入車両の多い府県を順次訪問するなど、検査等規制の実施状況とともに、規制内容の周知徹底を依頼していきたい。

質問 松田一成  ハンセン病対策について

 先日も、課長からわかりやすい支援策をつくっていただいて、私も、あちこちに行くたびにPRもしているので、周知方、またよろしくお願いしたい。  次に、ハンセン病対策について、2点伺いたい。

 平成13年5月、国のハンセン病施策を違憲とした、いわゆる熊本地裁の判決から3年が経過をした。昨年には、元患者の宿泊をホテルが拒否するなど、元患者の社会復帰を受け入れる体制がまだまだ不十分ではないかと思っている。  厚労省と国家賠償請求訴訟の原告団などは、平成13年12月、「医療、住宅、介護、相談窓口の設置等の社会生活支援全般について、厚労省が地方自治体と連携を図りつつ、改善と拡充に努める」等の確認文書が交わされている。

 この文書に基づき、謝罪・名誉回復、社会復帰、社会生活支援の真相究明等が行われているが、最初に申し上げたとおり、元患者の宿泊拒否問題なども発生している状況の中、この問題で、行政とホテルの対立図式になってしまって、ある意味でハンセン病への理解がわきに置かれている状況にあるのではないかという懸念もあると聞いている。

 そこで、熊本地裁判決から3年が過ぎ、元患者の社会復帰を受け入れる状況について、現状の認識と今後の課題を伺いたい。

答弁 熊谷疾病対策課長

 ハンセン病に対する偏見や差別を解消するため、ハンセン病に対し、県民が正しく理解できるように、県民理解のための講演会の実施、啓発のためのリーフレット等の作成、一般県民の療養所訪問交流事業を実施している。  昨年、熊本県でハンセン病療養所入所者に対する宿泊拒否事件が生じるなど、受け入れ側のハンセン病に対する偏見や差別はまだ過去のものとは言えない課題があると認識している。

 一方、入所者側においても、その匿名性から、どれくらいの人々が社会復帰しているかを確認できないなどの課題があるものと認識している。  県においては、元患者の意向、プライバシーの保護の観点から、啓発活動、リーフレット等の作成、元患者のニーズ把握を中心に、引き続きニーズに沿った社会復帰事業の展開に努めていきたい。

質問 松田一成

 答弁のとおりだと思うが、今後の取り組みの中で、現在、兵庫県も含めて全国で28の都道府県が相談窓口を設けていることになっている。兵庫県出身者の多くが入所している長島愛生園や邑久光明園のある岡山県では、先駆けて昨年の4月から、県内で社会復帰をした人を対象に医療費の自己負担分と介護保険利用料の全額補助、住宅家賃の一部補助の制度も新設するなど、支援策を整えることで元患者の社会復帰の可能性を広げようとしている。

 そういう中で、兵庫県においても、元患者の社会復帰を支援するため、より一層のきめ細かな施策を行っていかなければいけないと思うが、今後の取り組みについて伺いたい。

答弁 下野健康生活部長

 ハンセン病対策についての今後の取り組みについて答弁する。  平成13年の熊本地裁判決を受け、国において退所者給与金の支給規程が創設され、退所者について福祉増進の措置として一定の経済的な支援が行われることになったのは、ご指摘のとおりである。  この経済的支援とは別に、退所後の医療費、介護保険料利用料、家賃の助成を行うこと等について、兵庫県としては、これらが基本的に平成8年に廃止された、らい予防法の隔離政策から生じてきたものであるという理解のもとに、これは、こういう施策を講じた国の責任において対応すべき事柄であると認識をしており、かねてから、あらゆる機会を通じて国に要望をしてきている。  また、退所者からの相談については、一元的に疾病対策課で支援体制をとっており、退所者に対して、電話番号や担当者の指名を連絡して、気軽に相談していただけるように体制をとっている。

 平成16年10月現在で、元患者が社会復帰をして退所者給与金を受給しておられる方は48名おられる。このうち、県で所在を確認しているのは13名把握をしているが、元患者の方々については、それぞれのご事情もあるかと思うが、その所在等について明らかにしたくない方もあり、残りの方については把握できていない実情にある。  県として、本当に元患者の方々に対するきめ細かな対応が必要であるという基本的な認識でいるが、一方で、社会が偏見や差別なく元患者を受け入れることに向けて、どのような対応をするかについては、先ほど答弁申し上げたように、やはり、きめ細かな啓発を行っていくことで、地道な取り組みをしていく以外に手はないのかなという認識をしている。

 いずれにしても、元患者の社会復帰が円滑にいくように施設に出向いていろんな支援相談を行うとか、戻られた方々の訪問をしたり、その時々の連絡をとったりして、相談事がないかということでの対応はやってきているが、引き続き、努力をしてまいりたい。

質問 松田一成  アレルギー性疾患の対策について

 今、答弁をいただいて、国の当然の責任だというのはよくわかるが、やはり、兵庫県でやれること、国でやらなければいけないことも、人数もそんなに多くないわけで、しっかりと把握も踏まえてお願いしたい。

 次に、アレルギー性疾患の対策についてである。  新聞によると、今月1日、大阪府大東市の会社員宅で、室内に火のついた練炭火鉢が2個置かれ、4人が布団の上で倒れているのが見つかった。4歳の長男と生後10ヵ月の長女は既に死亡、病院に運ばれた会社員も間もなく死亡、妻も重体、このような警察の発表があった。調べでは遺書が5通残されており、2人の子供のアトピーに悩んでいたことが書かれていた。子供のアトピーを苦に無理心中を図ったものであると載っていた。

 死亡までにはいっていないが、例えば、アトピー性皮膚炎を悪化させて退職に追い込まれたり、自宅に引きこもっている青年であったり、食物アレルギーで幼稚園や保育園の入園を拒否される子供、友達と同じ学校給食が食べられず、いじめを受けたり、さまざまなこういう差別的なものが今、新聞で多く報道されている。間違いのない医療と行政の連携、正しい認識に基づく的確なサポートが今こそ必要であると論調で言われている中で、質問をしていきたい。

 今や国民の3人に1人がアトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜんそくなどのアレルギー性疾患に悩んでいると言われている。これらのアレルギー性疾患に悩む人たちはどのようにして治癒すればよいのか、専門医師に気軽に相談できる場はないのかという声がよく聞かれている。

 そのような中で、我が会派の今回の定例会代表質問においても、患者が正しい情報を共有することが大事である。そしてまた、アレルギー性疾患に悩む子供たちを持つ家族に対する心のケアの必要について、あの質問をさせていただいた。その際、答弁として、健康福祉事務所における情報提供や相談事業、家族会等のネットワークについて答弁をいただいた。今後は、特にアレルギーの専門医師による情報提供や相談しやすい体制の整備など、もう一歩踏み込んだ、具体的な対策が必要であると思うが、今後の取り組みと、改めてそのことをお尋ねしたい。

答弁 今井健康生活部参事

 アレルギー性疾患に関する情報提供や相談体制については、平成15年度には健康福祉事務所で42回、延べ138人を対象に小児科や皮膚科などのアレルギー専門医による専門病院の紹介や日常生活上の注意などを内容とする乳幼児アトピー性皮膚炎の専門相談を開催するなど、その充実に努めてきた。

 また、アレルギー性疾患については、治療法によっては症状が複雑化や長期化する場合があるが、専門医により有効な対応ができる場合も多いことから、今後もアレルギー性疾患に関する情報提供や相談しやすい具体的な体制づくりとして、一つには、現在開設している県のホームページに日本アレルギー学会のホームページをリンクすることによる同学会認定医などの情報提供、二つには、現在行っている医師研修会の充実、三つ目として、専門医によるアレルギー性疾患に関する情報提供の充実、そういったものを行ってまいりたい。  なお、アレルギー性疾患対策については、重要な問題と認識しており、庁内の関係課職員で構成するアレルギー性疾患対策研究会で検討を進めており、引き続き、その充実について検討を深めてまいりたい。

質問 松田一成

 やはり、これからますますふえると予測されるし、例えば、これは多分、国との問題が本当に多いと思う。特に診療報酬上の課題なども多く指摘されており、国に対してしっかりと要望をしていただきたい。

 我が党としても、これに対しては本当に真剣に取り組みをさせていただいているが、例えば、医師の立ち会いのもとで、問題になる食品を選んだりする場合に、本当にアレルギーが出るのかどうかなどを、医師の前で負荷試験として実際に食べてみる。保険がそれに対して適用されないものだから、なかなかこれに対して医療機関でするのが非常に難しかったり、そしてまた、それぞれの人の個別の栄養指導であったり、食事指導に、1人に1時間前後はやはり時間を費やす。こういうところに保険点数が加算できなかったりなど、こういう診療報酬上の問題も多くある。それは国の問題だと言えばそうだが、しっかり県も国に対しての要望を踏まえて、今後も疾患に対しての認識をよろしくお願いする。

 そういうことで、私の質問は以上で終わる。

 

12月9日

質問 松田一成  私有財産に対する行政代執行等について

 一連の台風被害で大変ご尽力をいただいている県土整備部の皆さんに心から敬意を表しながら、順次質問をさせていただきたいと思う。  最初に、私有財産に対する行政代執行等についてであるが、2点伺いたい。

 今回の台風23号において、私ども住んでいる兵庫区でも、山すその民家の擁壁が崩れる、このような被害があった。民家ということで当然自己負担で撤去するということが基本原則である。しかし、今回の場合は、年寄り一人で住んでいたり、かつ年金生活、急傾斜地で道も狭く当然車が入らない、そのようなことで、作業も手作業でするしかないという、非常に自己負担が重なる、そして自分だけでは撤去が非常に難しいという、こういうケースであった。

 それと、家屋と土地それぞれ所有者が3人ぐらいおられて、所有者を探すだけでも大変な状況であるということで、次に雨降ったら大変なような状況であったわけであるが、結局、放置をすると、周りの民家に第2次災害が及ぶ危険性があって、緊急を要するために、今回、建築基準法の第10条を適用し、老朽危険家屋として除去し、費用は当然所有者に対して請求するという措置をしていただいた。しかし、請求しても多分年金暮らしということであるので、多額のこの費用は、なかなか徴収が難しいであろうというような状況である。

 この中で、急傾斜地の山すそに民家が建っている、これは神戸市六甲山のふもとに多いと思うが、数多くあるように思う。今回のような場合、建築基準法の第10条第1項に定める「保安上必要な措置」が所有者においてとられることが見込めない場合、10条第2項によって第9条12項を準用して行政代執行法の定めるところに従い、代執行することができるというふうになっている。しかし、実際には建築基準法第10条を適用して老朽危険家屋の是正、除去を行ったということは全国でも例がないというふうに神戸市は言っておられた。画期的なことをしていただいたということである。

 今回、代執行の場合は、市の判断でされるということを聞いている。町に関してはやはり県が指導性があるというふうにも聞いているわけであるが、今後、このような非常にお年寄りが多い、そしてまた財産としての価値が非常にない山すそのようなところで暮らしておられるようなところ、万一被害があった場合に、建築基準法第10条や行政代執行法の適用について、県としてどのような考えをされているのか、まずお伺いをしたいと思う

答弁 高橋建築指導課長

 建築基準法第10条には、違反建築物ではないものの、老朽化等により著しく保安上危険であるなどの建築物については、その所有者に対して必要な措置を命令し、その命令が実行されない場合、行政代執行法の定めるところに従い、特定行政庁、県下では13――県以外に12あるが、代執行できると規定されている。  今回の神戸市のケースについては、台風23号、先ほど委員からご説明があったように、23号により宅地が崩壊し、建築物が宙づり状態になったものであり、急傾斜地崩壊対策事業による復旧も検討されたようであるが、採択要件には該当せず、一方、放置すれば2次災害の危険性が極めて高いということから、今回のケースは、特定行政庁である神戸市の関係部局が密接に連携し行政代執行を実施したと聞いている。  本来、私有財産である建築物については、その所有者等がその責務において適切に維持管理していただき、その安全性を確保していただくものであると考えている。  しかし、周辺に著しい危険性を及ぼすこととなった建築物の所有者等が、その責務を果たさず、あるいはそれを放置している場合で、周辺に及ぼす危険性の程度など公益上の必要性が高いと判断されるものについては、今後、関係市町と密接に連絡調整を図りながら、建築基準法第10条に基づき、必要な命令を発し、場合によっては行政代執行を行うべきものと考えている。

質問 松田一成

 答弁によって、これからケース・バイ・ケースだというふうに私も思う。  次に、本件のようなケースの場合、危険建築物の除去をしていただく、しかし、安全性を確保することは、それだけでは私は難しいのではないかなと思う。というのは急傾斜地、当然山すそであるから、除去をしても山すその山崩れのおそれがある、いわゆる急傾斜地、ステージということで、お聞きすると角度が30度であったり、高さが10メーターぐらいなかったらだめだとか、そしてまた人工物のよう壁をつくっていれば、それはだめだというような規定があって、その一つでもそれが中に入ってないと、なかなか急傾斜地の対策がとれないというふうな今状況になっている。

 そういうことで、今回のような場合、せっかく撤去をしたものの県として急傾斜地の崩壊対策を、そういう場合にどうされるのかということをお聞きをしたいと思う。

答弁 上野砂防課長

 当該地区については、急傾斜地法に基づき急傾斜地崩壊危険区域の指定がなされているが、ご質問の事例のような人工がけについては、急傾斜地崩壊対策事業の対象外となっているため、土地所有者みずからが必要な工事を実施し保全を講じていただく制度となっている。  なお、ご質問の事例では、家屋が撤去されたあとの敷地の保全工事は、先ほどお聞きの答弁のように、神戸市が既に行っているため、危険性は少ないと考えている。  一般的には、人工がけが危険な状態で、土地所有者が急傾斜地崩壊防止工事を施行できない場合や防災措置が不十分な場合においては、急傾斜地法の第10条の規定により改善命令を行うことになっている。

 また、この命令が履行されずに、かつ放置しておくと第三者の生命等に著しい危険が及ぶと認められるときは、代執行法により県が崩壊防止工事を実施することも可能になっている。このような仕組み、制度となっていることへのご理解をお願いしたい。

質問 松田一成

 今の答弁は、ケースバイケースによっては、いわゆる先ほど私申し上げたが、30度までの指定であったり、高さ制限があったり、そしてまた人工物があっても、その人本人で、そういう費用を出せるぐらいの状況が考えられない、第2次災害が起きるということが判定されればあり得るということか、急傾斜地の工事をしていただけると理解していいか。

答弁 上野砂防課長

 人工がけについては、原因者が個人で施工されたがけであるというふうな解釈の上で個人負担、いわゆる原因者負担というふうな制度をとっているので、人工がけについては、個人負担が原則になってくる。ただし、斜面といっても、中に人工がけとは別に自然斜面も混在しているようながけの場合には、その自然斜面について、いわゆる小規模な対応の事業が適用されるような場合もある。それはあくまで自然がけを対象にしているということである。

質問 松田一成   県営住宅について

 よくわかった。前向きなご答弁で私も安心させていただいた。

 次に、県営住宅について3点お伺いをしたいと思う。  県営大開住宅の売却への取り組みについて、一つ質問したいと思う。

 兵庫県においては、平成13年度に作成した「ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画」に基づいて住宅ストックの活用を重視し、改修及び建てかえ等を主体とした整備を行い、良質な住宅ストックの形成を図るととにも、団地の建てかえ等においては、地域のニーズや実情に合わせ統合や集約を行っておられる。

 その中で、今回の県営大開住宅、幹線道路の横の大開通りに面しているが、2棟建っており、昭和32年に建築をされて、5階建てで、64世帯が住んでおられた。1階部分は店舗として分譲されていたところが現在は1階部分の店舗のみが営業しているだけで、2階から5階は廃墟状態で少年の非行の温床となったり、環境的にも非常に、また防犯上からも問題になっている。

 このような状況がもう既に5年も続いている中、兵庫県においては、税金を投入した県民の財産という認識や、環境や防犯に対する配慮から売却するという方針を聞いているが、現状と今後の取り組みをお伺いしたいと思う。

答弁 加古住宅整備課長

 ご指摘の県営大開住宅の一部である店舗併用住棟であるが、これについては従前の入居者の皆さんがすべて既に建てかえ済みの住棟に移転済みということもあって「ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画」において県営住宅としての用途は廃止するということで位置づけている。その跡地については、関係権利者へ売却するという方針で平成13年度から協議を進めてきている。  協議に当たって、跡地利用の事業手法の検討であるとか、また関係権利者、何人かおられるので、その合意形成等に時間を要したところであるが、現在、関係権利者の皆さんが中心に、主体的に店舗再建と良好な住宅供給をあわせて行う方向で合意のめどが立ち、具体的な土地売却条件について最終的な調整をただいま行っているところである。  今後とも、関係権利者の皆さんの円滑な生活再建、そして跡地の有効利用が図られるように、契約書の作成など必要な手続を的確に行い、速やかに土地売買契約を締結し、年度内にも譲渡、引き渡しが行えるように取り組んでまいりたいと考えている。

質問 松田一成  県営住宅の共益費徴収への取り組み

 よくわかった。皆さんが心配されていた案件であったので、よろしくお願いしたいと思う。  次に、県営住宅の共益費徴収への取り組みをお伺いしたいと思う。

 兵庫県においては、「ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画」先ほどと一緒であるが、コミュニティ形成に配慮しながら、入居者が自治会を組織し、維持管理及びコミュニティ活動を行うという自律型管理を基本として、自治会としての役割分担を決め、協力・連携して住宅管理が行われている。

 本県では、県営住宅が491ヵ所、5万5,313戸ということであり、それにこの災害復興県営住宅は9,349戸ある。コミュニティの形成という点ではさまざまであるが、特に復興住宅において、平成15年8月の「災害復興公営住宅団地コミュニティ調査」によると、自治会があると答えたのは全体の8割、あと2割はいまだ自治会が結成されてないところや、自治会があっても機能していないところがある。

 家賃でさえ最近支払いが滞りがちである上、共益費については共用施設の利用について個人差があるため不公平である等の不満も出ている。不払いの問題も生じているが、共益費は自治会が管理しており、全くそういう意味では強制力がないため、なかなか徴収が難しいという今自治会もあるというふうに聞いている。そのような中、神戸市においては一部の市営住宅において、市が家賃と共益費を一括して徴収し、自治会に共益費分を返しているという部分もある。

 コミュニティ活動、自治会活動が低下しているなどの状況に配慮して、少しでも自治会の負担を減らして一番大事な住民同士の人間関係の摩擦を軽減するために、自治会からの要望があれば、家賃と共益費を一括徴収することが必要であると思うが、今後、どのように取り組まれるのか、お伺いをしたいと思う。

答弁 前川住宅管理室長

 県営住宅における共益費の徴収については、従前から「自治会が入居者の共通の利益のためにみずから徴収確保する」との考え方に立ち、自治会による徴収を基本としているところである。

 しかし、共益費について、一部入居者の滞納長期化、未納者の増加に伴う入居者間のトラブルの発生、自治会役員の高齢化による徴収作業負担の増加等の問題が生じている団地があることも承知している。

 このため、共益費については、自治会役員等の徴収者に過大な負担をかけることなく、入居者すべてが公平に負担する方策が必要であると認識している。特に、共益費の徴収をめぐって問題が生じている災害復興公営住宅については、自治会総会での決議など、居住者の総意が確認できた場合には、その団地について、県住宅供給公社が家賃と同時に共益費を徴収する方向で、徴収システムの変更など具体的な課題を検討してまいりたいと考えている。

質問 松田一成

 前向きな答弁、ありがたく思う。かなり人間関係がいろいろぎくしゃくしているところもあるようであるので、一日も早く対応をお願いしたいと思う。

 次に、DV被害者の県営住宅への優先入居の取り組みについて、お伺いしたいと思う。  DV防止対策を強化する改正DV防止法が今月2日施行され、急務となっていた被害者の自立支援策については、国と地方の責務として就業支援に努めることや、住宅確保に特段の配慮をするということが盛り込まれたところである。

 その中で、県ではこのたびの県営住宅の入居募集において、「DV被害者に対する優先入居措置」を導入されたことは高く評価をするものである。

 しかし、今回のDV優先入居の申し込み資格に年齢と収入要件による制限が設けられていることは非常に残念である。収入要件が実際に入居の阻害の要因となる可能性については多くないと考える。しかし、公営住宅法の規定により、原則として単身者については50歳以上の制限があるため、50歳未満の単身DV被害者は県営住宅への入居ができないという状況がある。

 年齢にかかわらず、広くDV被害者の保護・支援を図る必要からも、50歳未満の単身DV被害者の入居についても県の積極的な対応が望まれる。一時的な入居が必要な場合も含めて、県のお考えをお伺いしたいと思う。

答弁 佐々木まちづくり局長

 DV被害者が一時保護所から自立して生活できるように、本年10月から県営住宅の優先入居を委員ご指摘のとおり、DV被害者にも認めたところである。しかし、ご指摘のとおり単身者の県営住宅への入居については、そもそも公営住宅法施行令で50歳以上であることが要件になっているので、DV被害者であっても、50歳未満の単身者の方は県営住宅に入居できないというような現状にある。  このため、公営住宅法を所管する国土交通省では、本年の12月6日――今週であるが――に公表された住宅政策改革要綱による最新の情報によれば、来年度から年齢にかかわらず単身DV被害者を公営住宅の入居対象に追加する方向で、公営住宅法施行令の改正を検討しているということであるので、その際には、県としても必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えている。  あわせて、公営住宅法の施行令を改正する前に、緊急の措置として必要なDV被害者に対応するために、県営住宅の目的外使用という制度があるので、一時的に県営住宅を使用できるよう、国土交通省に対して、DV被害者のための必要な戸数枠の設定など、承認手続の準備を今行っているところである。

質問 松田一成

 DV対策は、今局長がおっしゃっていただいたので、それはそれでいいが、やはり50歳未満のところが一番多い。そういうことで私も質問させていただいたということであるので、一日も早くそういう体制をお願いしたいと思う。

 次に、ユニバーサル社会に向けた環境整備への取り組みについて、まず最初に、バリアフリー化への取り組みであるが、障害を持つ人も持たない人も、高齢者も、年齢にかかわりなくすべての人が力を発揮し自信を持って自立し、社会参加ができるユニバーサル社会への構築を求める声が日々高まっている。

 そのような中で、兵庫県においても、高齢者や障害者を含むすべての人が安心かつ快適に生活ができるように、福祉のまちづくり条例の運用を核にさまざまな取り組みが進められている。

 中でも、県下の駅、バスなどの公共交通機関のバリアフリー化を進められているところであるが、取り組みの現状とその評価をお伺いしたいと思う。

答弁 原田まちづくり課長

 公共交通機関のバリアフリー化については、福祉のまちづくりを進める上で最も重要な課題と認識しており、その促進策として、平成5年度から鉄道駅舎へのエレベーター等の設置費あるいはノンステップバス等の購入費の一部について補助を行う財政支援を行っているところである。  これら取り組みの結果として、平成15年度末現在における県下の状況であるが、一日当たりの乗降客数が5,000人以上の駅のうち、75%の駅が既にバリアフリー化されており、その達成率は全国の44%に比較しても高い水準にある。また、バスについても、ノンステップバスの割合が全国では9%であるのに対して、本県では14%に達しておるところである。  さらに、平成14年度であるが、公共交通機関に係る福祉のまちづくり条例上の整備基準を強化して、施設の高水準化を促進しているところである。今後とも、より水準の高い公共交通機関のバリアフリー化の促進に取り組んでいく所存である。

質問 松田一成  視覚障害者等の自律的移動の支援について

次に、それに関連して視覚障害者等の自律的移動の支援についてであるが、障害を持つ人たちの多くは働いて自立をしたい、こういう希望を強く持っておられるのも当然である。しかし、そういう反面、まちづくりや交通施設、職場の環境整備などの就労や社会参加のチャンスが十分に得られぬまま、社会に支えられる側に回されがちである。

 そんな中で、今回、国土交通省が中心になって産官学民の共同により、すべての人が参画できる「ユニバーサル社会」をめざして、ITを活用して街のどこからでも、いつでも、だれでも、現在地や目的地への移動経路などの情報を得られる、いわゆる「自律的移動支援プロジェクト」が進められている。これにより、障害を持つ人も、高齢者も、だれもが安心して街を歩けるような社会参画を促進する効果が期待できるところである。

 この事業というのは、道路、歩道、電柱、掲示板など街のあらゆる場所に通信機能を持ったICタグを埋め込んで、まちのどこからでも移動情報が携帯端末を使って得られるようにするものである。例えば、視覚障害を持つ人がICタグが埋められた視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点字ブロックに従って歩けば携帯端末の誘導で目的地に正確に到着でき、点字ブロックの世界から大きく世界が広がるというようなプロジェクトである。また、交通規制や電車の不通時の復旧、乗りかえの情報も得られて、外国向けの多言語による対応なども可能となる。

 そんな中で、いわゆる本格的な高齢社会の到来の中で、だれもが誇りを持って社会参加ができるユニバーサル社会の実現に向けて大きな前進としてこの事業が、現在、神戸市のさんちかとか京町筋でプレ実証実験が今行われている。私も見に行った。まだまだ状況は厳しいが、この平成16年度、平成17年度の2ヵ年において神戸市における社会実験の後に全国展開されるというふうに聞いている。

 この事業の認識と、今後、積極的にこの事業への取り組みが必要と思うが、お考えをお伺いしたいと思う。

答弁 陰山県土整備部

 自律的移動支援プロジェクトは、街中にICチップ等を埋め込み、携帯端末を通じて移動経路や目的地等の情報について、いつでも、どこでも、だれでもが利用できるシステムの構築を目的とするものである。このプロジェクトによって実現するシステムは、現在、本県で取り組んでいるユニバーサル社会づくりに直接貢献できる手法の一つになり得ると考えているところである。このシステムの構築に向けて、国土交通省が神戸市内で実証実験を行い、さまざまな通信技術や提供する情報等の課題の解消を図ることとしている。県の施策として本システムを導入することについては、実証実験の成果を見きわめ、積極的に取り組んでいきたいと考えているところである。どうぞよろしくお願いしたい。

質問 松田一成

 いろいろ質問させていただいて、今回6問中4問、積極的な答弁をいただいて、本当に感謝をしながら、以上で質問を終わる。

 

12月23日

質問 松田一成  交番に関して

 先ほどからもあるように、自動車警ら隊の文書捏造問題で大量の処分をされ、改めて警察の信頼を取り戻すために、新たな決意で兵庫県警としても頑張っていただきたいことを強く要望しながら、質問をさせていただきたい。

 きょうは交番に関して質問をさせていただきたいと思うが、2004年の警察白書では、「地域との連帯」と題して、住民に身近な交番や防犯ボランティア団体の活動に焦点を当てて、地域社会と警察が協力をして犯罪防止に立ち向かうということを強調している。さらに、喫緊の課題としては、先ほどからそれぞれの人から話があった空き交番解消を掲げ、警察官の増員や配置の見直しを進めて交番機能を強化するとなっている。また、ボランティア代表者に対してのアンケート結果でも、住民の側にも「警察だけでは地域の安全を確保できない」「地域社会全体で犯罪を抑止することが重要である」との認識も大きく占めている。

 その中で、沖縄県では、昨年沖縄県で発生した子供の連れ去り未遂、このような事件をきっかけに、警察から委託を受けた住民ボランティアが、あいた時間を利用して交番に行って、道路案内であったり警察への専用電話の取り次ぎ、このような業務を行っているというふうにも聞いている。本県においても、自治体、住民と一体となって、安全・安心なまちづくりや住民の自主防犯行動の促進と支援を行い、県民と協働した総合的な地域安全対策に取り組まれている。  そのような観点で、以前、交番というと、私の小さいときなんかでも、よく地域の人が、毎日まではいかないが花を生けてくれるような人がおったと思う。最近はそういうことが余り見られなくなった。こういうことからも、地域と交番との一体感がなくなってきているのではないかという感じがする。

 そういう中で、警察署とか交番というところが、まだまだ立ち寄りにくくなっているのではないか、そういうことも事実であるように思う。今こそ、地域の人が交番を気軽に利用し、活用して、警察と地域が一体となって安全を取り戻す必要があるのではないか。このことで、身近な交番といった観点から、現在の交番の状況をどのように認識をされているか、まずお聞きをしたい。

答弁 田山地域部長

 地域警察においては、交番を拠点として地域の方々と交流を図るとともに、要望、意見を把握して、地域と一体となった活動を推進することが重要であると認識している。  そこで交番では、放置自転車の撤去や高齢者宅への訪問など、地域住民にとって身近な問題を共通の課題としてとらえ、その解決に向けて取り組む地域課題解決活動を推進している。また、新しく建築した交番には、地域住民との懇談の場としてコミュニティルームを設置しているほか、来訪者の利便を図るため、来訪者用の駐車場や身体障害者の方のための車いす用スロープ、手すり、自動ドアを設けるなど、施設面でも立ち寄りやすくなるように配慮している。  さらに、昨年4月から、住民の方々が交番にいつでも気軽に立ち寄れるように、「現在、交番に警察官がいます。ご用件のある方は声をかけてください」と記載した在所表示板を交番の窓ガラス等に掲示しているほか、交番勤務員や交番相談員が所前で立番してあいさつするよう指導しているところであり、交番が住民の身近な存在となるよう努めている。交番は、警察と住民の接点であるので、住民が気軽に交番を訪れ交流を図れるような関係を築くことが大切であり、今後とも、より一層住民とのふれあいを深めていきたいと考えている。

質問 松田一成

 いろんな努力をされているということは、私もよく承知をしている。最近、特に、先ほど申し上げたように子供の連れ去り事件、未遂というのが、本当に多く続発をしているように思うが、これらのわずかな人目のすきをついて、体力的に非常に弱い子供たちを巻き込むような事件が非常にふえる中で、地域社会全体で犯罪を抑止することが本当に大事だと思う。

 警察と地域の密接な連携によって、警察による犯罪抑止活動に隅々まで行き渡る地域住民の目が加わっていく、そしてまた、地域コミュニティの防犯活動に警察のプロの視点が加わるということが本当に大事であると思っている。その中で、住民と警察を結ぶ接点である交番というのが、どうしてもかけがえのないよりどころになってくるのではないかという感じがしているが、そういう中で、警察や地域の住民とのコミュニケーションが密接に行われ、地域の防犯拠点となることが大事である。

 そこで、今後、交番を地域住民に身近に開かれた交番とするために、どのように取り組まれようとしているのかお伺いしたい。

答弁 田山地域部長

 現在の厳しい治安を回復させるためには、犯罪の検挙対策はもちろんのこと、その抑止対策が重要であることは当然であり、その対策は、警察の活動のみならず、地域住民の防犯意識の高揚や自主的な防犯活動が相まってこそ、初めて十分な成果が得られるものと考えている。  交番の警察官は、住民からの相談等への対応、各家庭を訪問して防犯指導等を実施する巡回連絡や各種会合への出席、防犯懇談会の開催、広報紙の発行等により、事件、事故の発生状況等の情報を提供する活動を推進している。また、交番を住民の方々による防犯パトロールの拠点として活用していただき、パトロール等に交番勤務員が同行するなど、警察と住民が協働して地域の身近な問題の解決に取り組んでいるところである。  このように、交番を地域の生活安全センターあるいは地域の防犯拠点として位置づけ、地域住民と連携、協働して地域住民の安全と平穏を確保する活動を推進しているが、今後においても、より多くの地域住民の方々に交番を活用していただき、身近な開かれた交番になるよう努めていきたいと考えている。

質問 松田一成

いよいよ年末に入って、12月26日ぐらいから、多分、地域の方も防犯の夜回りが始まると思うので、一体となって、この12月を締めくくっていきたいと私も決意をしているところである。

 最後に、きょうの一番本題であるが、やはり交番の再整備の中で、交番ということに関して、もう1回、一から認識をしなければいけないのではないかと思う。  「交番」という言葉については、かつては交番に行けばお巡りさんがおられる、こういうイメージがずっとあった。その交番の由来そのものも、名前がそもそも明治7年に設けられた「交替で番をする所」というのが由来で「交番」というようになったと勉強した。

 かつて、我が国の治安のよさは世界一という定評もあったが、それは日本が長い歴史の中ではぐくんできた交番があったからだと言われている。従来、交番は、快適で安全な暮らしを支えるよりどころとなってきた。ところが、最近の事件の増加やそれに伴うパトロールの強化、交番数の増加などによって、交番勤務の警察官の不在が目立ち、いわゆる空き交番問題が地域住民の不安を募らせているわけである。

 2004年の警察白書でも、「空き交番を3年後には解消する」と明記しており、本県でも455ヵ所の交番のうち、32ヵ所を再整備しようとしている。分散化された警察力を集中し、効率的な運用を図ることは社会の要請でもある。昨今の高齢化社会における弱者被害、外国人犯罪など、今までに経験したことがない犯罪が多発する中で、警察官や交番相談員を増員し、また、この前も一般質問で本部長に答弁いただいたが、いよいよ来年の秋から駐車違反の取り締まりが一部民間委託される、こういうことを通して重要犯罪に対応した警察組織の重点配分を行う必要があるわけである。

 その中で身近な問題として、交番自体のあり方を、私はもう少し工夫をする時期が来ているのではないか。先ほど申し上げたように、交番も明治7年の創設当初から、もう130年が経過をしている。かつては、交番のシンボルの赤色灯が遠くからでも見えている時代であった。しかし、もう今ではビルやマンションの一角もしくは1階部分に位置しているために、遠くからでもはっきりとわかるという立地が望める状況ではないと私は思っている。果たして交番自身が、本来役割を果たした防犯上の交番そのものとして抑止力になっているのかどうか。

 当然、ひったくりや痴漢、ストーカーなどの行為があったときに、被害に遭った人がすぐに交番に駆け込める状況であるのかどうかということが、今、課題であると私は思っている。安全確保のために必要であるのに、近所の人以外は交番がどこにあるかわからないというのが現状ではないかと思う。安全確保のためには重要であるのに、夜になると、私も夜、毎日、雨が降らぬ限りは11時から12時ごろの間に散歩をするが、交番のところへ行っても、ぼうっと薄ぼんやりとして、周りはきれいになっているのに、交番だけが取り残されているように、薄ぼんやりと赤色灯がついている。その道路の向かいでは、中学生、高校生のたまり場になっている。交番があるのに、その前でたまっているという、ほんとに不思議な状況が多く目につく。

 一方、先ほどからフロントラインパトロールの話もあったが、パトカーに関して私はいろいろお聞きした。警察法が施行された50年の間に、パトカーの上についている赤色灯が数々の変遷をしている。非常に近代化されている。進化を遂げて、最初は何もなかったところから、いわゆるパトカー上に赤色灯だけがついている、それが今度、内部がくるくる回る円筒形のようなタイプになったり、今は横に長いバータイプ、最近はブーメラン型でモーターが屋根からせり上がる可動式のものまでが出てきている。こういうふうに、周りから見てもパトカーが本当にわかるし、抑止力に十分なっていると私は思う。

 私なんかも運転していて、パトカーが来ると、自分はスピードを出してないのに急にブレーキを踏んでみたりとか、すぐに体が反応してしまうぐらい、パトカーに関しては非常に抑止力がある。皆さんも多分そうだと思う。そのぐらいの抑止力があるのに、これだけ「動く交番」と言われるパトカーが進化しているのに、一方、先ほど言ったように、交番だけが130年全然変わってない。新しい街ができたところへ交番ができた場合は、近代的になっている。見ても本当にきれいで、交番という形がわかりやすくはなっているが、いまだに古いところへ行くと、先ほど言ったように赤色灯が切れているのかついているのかわからぬのが、夜ぼやっとついているだけのところである。こういうのは非常に残念だと私は思っている。

 日本で発祥した交番というのが、国際的にも今、地域に根差したシステムとして諸外国でも高い評価を受けて、調べると、シンガポールやブラジルなどの都市でも取り入れられている。治安維持に今大きく国際貢献をしているということで、シンガポールなんかでもローマ字で「KOBAN」というふうに書かれているというぐらい、日本の交番に関しては歴史もあるわけで、国際語としても世界に認められていると聞いている。そのような交番が、明治のころから大して何にも変わらないというのがどうなのかということで、今、質問をさせていただいているところである。

 今回、交番の再整備を考える中で、やはり交番自体そのものも再整備をし、例えば、散髪屋さんではないが、あれだけくるくる回っていたら、どこから見ても散髪屋だとわかるように、私は、そんなことをせいと言うておるわけじゃない、そんなことは要らないが、これだけ広範囲から人が集まってくる中で、地域の人は当然わからなければいけないが、何かあったときに駆け込めるサインみたいなことをもっと工夫しなければ、せっかく130年続いてきたこの交番のあり方も踏まえて、私は、予算がない中で交番を建てかえよということではなくて、もう少し工夫をすることができるのではないかということを、今、強く要望しているわけである。

 そういうことで、犯罪抑止効果、住民の安心、体感治安、このようなことも踏まえて、交番の現状の評価と、そしてまた、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをしたい。

答弁 巽警察本部長

 現在、県警察では、安全で安心な社会の実現をめざして、分散された警察力を集中し効率的運用を図るため、交番の再編整備を推進しているところである。  交番の設置場所については、駅前や幹線道路に面した住民からわかりやすい場所というのが理想であるが、建築時に適当な場所の確保が困難な場合には、ただいま委員からご指摘があったように、ビルとかマンションの1階部分、あるいは裏通りなど、住民からはわかりにくい場所に設置されているということで、その立地条件はさまざまであるというのが実情である。  交番が地域の生活安全センターとしての機能を果たすことができるよう、建てかえなどの機会をとらえて、可能な限り幹線道路に面した場所とか、住民から見て利便性の高い場所に用地を確保するように努めるとともに、交番の所在がよくわかるように、来訪者の多い交番にはローマ字で「KOBAN」と書いたシンボルマーク入りの表示板を設置しているし、あるいは道路管理者の協力を得て案内表示板を設置するなどの配意をしている。  今後も、交番の設置、建てかえに当たっては、住民から見てわかりやすいように、その設置場所、建物の構造等に配意するほか、視認性の悪い交番については案内表示板を設置し、あるいはただいまご指摘のように赤色灯の位置を見直すなど、県民から親しまれ、また、同時に犯罪を抑止し、住民の皆さんに安心感を与えられるような交番とするよう、一層の工夫をしてまいりたいと考えているので、ご理解いただきたい。

質問 松田一成

 今、本部長が言われたように、赤色灯だけでも前に出すとか、上に上げるとか、すぐにできることはやるということが私は大事であると思う。この件に関してはずっと言い続けていきたいと思うが、予算が限られた中で、予算を使わなくてもできることから始めるということが私は大事だと思うし、私も防犯の一員として毎月25日には極力夜回りをさせていただいているが、やはり現場を歩いてみたら――今、私が言っていることは何も大げさに言っているわけじゃなくて、交番の位置も含めて本当におくれている。

 確かに仕方がない部分もあるが、しかし、この中をやはり目立つ、そこへ行くと犯罪者がどきっとするぐらいのものを与えないと、あそこへ行ってもいつもいないし、何ともないというような、私は、そういうものが必ず今あろうと思っている。

地域社会とか警察とかいろんなことを言うが、そういうところのほんとに足元からご理解をいただいて、ご努力をいただきたいことを要望しながら、質問を終わりたい。