1 教員採用のあり方について

質問 松田一成 

兵庫区選出の松田一成でございます。4月に行われました統一地方選挙後の新議会、早いもので2回目の定例会を迎えました。  私からは、新人らしく、潔く、3年目を迎えられた井戸県政に対し、6項目7つの質問をさせていただきます。  質問の第1は、教員採用のあり方についてであります。  「教師こそ最大の教育環境である」、このように言われます。教育の中心的な要素は教員であることは明らかであります。よい先生との出会いは、子供たちにとって、学校生活だけではなく、成長する過程で、さらに社会に出てからも大きな影響を与えます。  IT化やグローバル化が進み、子供たちは、膨大な情報に囲まれるようになったものの、自然や遊び等を通じた実体験は不足しています。  また、ゆとり教育への転換が図られつつあるとはいえ、知識重視の教育が続いており、多様な価値を目の前にしながら、何をしてよいかわからず、一部は非行に向かってしまう少年もいます。  また、日本青少年研究所が行った高校生の規範意識調査では、「親に反抗すること」「先生に反抗すること」「学校をずる休みすること」について、6割から8割以上が「本人の自由でよい」と回答しており、これらはアメリカや中国の3倍から6倍という驚くべき数値となっています。  自由とは、本来、自分の責任の範疇で何人にも侵されないというものであります。自分の思うままという意味では決してありません。しかし、子供たちの行動は、目の前の膨大な情報の中から、自分のしたいことだけを無造作に選択しているかのようであり、道徳などの今の学校教育では、規範意識の育成は限界があると感じます。  いずれにしても、社会環境や子供たちの意識が大きく変貌する中で、教員に求められる資質等も変化していると考えます。特にここ数年、子供が急増した70から80年代に大量に採用された教員が退職時期を迎え、多くの教員を採用していかなければなりません。その質の確保は大きな課題と言えます。このため、東京都では、高い志を持った教員を学生の段階から養成するため、大学と連携し「教師養成塾」を来年度から設置すると聞いています。また、大阪府では、企業勤務5年以上の社会人を対象とした特別枠を設けるなど、幅広い人材の確保をめざそうとしています。  社会の変化にあわせ、学校もそれに対応する環境をつくらなければなりません。知識やテクニックだけではなくて、さまざまな子供たちの存在を受容しながら、その個性を最大限に引き出し、生きる道をしっかりと先導できる教員が必要であり、そのためには、大学や民間企業などとも協調しながら、より幅広く優秀な人材を確保する方策が必要と考えます。  そこで、当局として、今後、教員採用者の急増が見込まれる中で、どのような人材を求め、その確保にどう取り組んでいかれるのか、教員採用のあり方とその将来見通しについて、ご見解をお尋ねいたします。

答弁  教育長(武田政義)

 私から、教員採用のあり方についてご答弁申し上げます。  本県の教員の年齢分布を見ますと、第2次ベビーブーム世代が就学をすることに備え、大量採用をいたしました教員が、平成25年から27年をピークということで、約10年間にわたり定年退職を迎えることが見込まれております。  県教育委員会では、このような状況に対応いたしますため、今後、大量に退職することとなるこれら年齢層を対象といたしました若年勧奨退職制度によります退職勧奨を実施いたしまして、退職者数の平準化と教員数の安定的な確保及び年齢構成の是正に取り組んでいるところであります。  さらに、将来見込まれる管理職の大量退職による資質の低下等に対処いたしますため、管理職登用年齢の引き下げや管理職養成研修の強化、見直しに着手しているところであります。  また、採用試験におきましても、多面的、多元的な視点から人物を重視した評価を行いますため、第1次試験から、受験者全員に面接試験を導入いたしましたほか、第2次の面接試験では、ロールプレイ等を課しますとともに、面接委員にスクールカウンセラーや民間企業の人事担当者を登用するなど、幅広い視点から、専門職としての優秀な教員の確保に努めているところであります。  今後とも教員の量的な確保のみならず、大学や企業との連携も図りながら、21世紀の兵庫の教育改革を担う資質能力や変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力を有する教員の確保、さらに養成に努めてまいる所存でございますので、よろしくお願いしたいと思っております。

2 ビジネス相談支援体制の拡充について

質問 松田一成

 質問の第2は、ビジネス支援図書館を初めとする起業・創業などへの相談支援体制の拡充についてであります。  ビジネス支援図書館とは、図書館を創業や起業の拠点として、また、中小企業の経営者やマネジメントにかかわる人への相談場所として有効に活用しようというものであります。  政府の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」、別名「骨太の方針」でもこの整備が盛り込まれているところであります。  もともとアメリカなど海外で発展してきたビジネス支援図書館でありますが、近年、我が国各地でも誕生しております。専門のレファレンスカウンターによる相談、ビジネス支援コーナーにおける参考図書・資料、インターネットの接続環境の提供などのほかに、起業家や小規模経営者向けのセミナーの開催、ハローワークと協力した就職情報を提供し、自営業者の支援組織づくりや意見交換場所の提供といったサービスも始まっております。  先駆けでございます浦安市立図書館を例にとれば、地域の自営業者、起業家の問い合わせがふえ、本の貸し出し中心では対応できなくなった、そのことがきっかけとなったわけであります。司書資格を持つ職員が多かったことが、短期間での体制整備につながり、これまで多くのセミナーの開催、個別相談などを行っています。  また、東京都では昨年6月、東京商工会議所とともに丸ノ内にビジネス支援ライブラリーを設置し、会社員や自営業者、創業予定者、学生などの利用があり、専門家を置いて創業・起業に関する相談にも応じております。  本県においては、開業率は4.1%、廃業率においては4.7%となっており、廃業率が高いのは全国傾向と同じでありますが、その差は平均を上回っております。経験や技能、アイデアを生かして新しいことをやってみたいと、そのような起業・創業を考える人がまず求めていくことは、資金とともに情報であります。  例えば、「店をしたいが、マーケティングはどうするのか。どんなチラシを刷ればよいのか」といったノウハウや情報をワンストップで得られる仕組みが大切ではないでしょうか。  県下では、ビジネス図書コーナーを設置する図書館はありますが、ビジネス支援図書館というものはいまだにありません。  地域住民にとって図書館は、土曜日・日曜日もあいているし、なじみ深い知的情報拠点であります。地域の産業雇用政策に図書館を活用していくことは、起業・創業の活性化、地域の事業者への支援策として有効と考えます。  ビジネス支援図書館を初め、住民の身近に情報収集や相談などがワンストップでできる場所が一層重要と考えますが、当局のご見解をお尋ねいたします。

答弁 知事(井戸敏三 )

 公明党議員団の松田一成議員のご質問にお答えを申し上げます。  私から、まず、ビジネス相談支援体制の拡充についてであります。  兵庫県は、ご質問の中にもありましたように、あの大震災に襲われたにもかかわらず、開業率が全国平均を0.5ポイントほど上回っているように、創業・起業に向けて積極的な風土があります。この創業・起業や中小企業の経営支援を機動的、効果的に行うためには、経営・技術等の情報提供を含めた支援体制を整えておく必要がありますが、このような支援体制として、従来からひょうご中小企業活性化センターにおきます相談窓口の設置や、ビジネス関連ビデオの貸し出しなどを行っておりますほか、工業技術センターにおきましては、総合技術相談窓口「ハローテクノ」を設置し、インターネットを活用した技術相談、技術情報等の収集・提供を行っておりますし、中央労働センター内のひょうご労働図書館におきましては、創業等に関する図書の収集、閲覧サービス等に取り組んでおります。また、開業支援、第二創業、新分野進出などのための融資制度も充実しております。このような中から、意欲のある、元気のある企業が生まれてくることを期待しているわけであります。  さらに、今年度は、中小企業振興公社を中小企業活性化センターに改めまして、ご指摘のビジネス図書館の持つ機能であります情報提供ワンストップ機能を基本といたしまして、総合相談体制を整備し、成長企業を応援することといたしました。  この中小企業活性化センターを核に、県下10ヵ所の地域中小企業支援センターを初め、新産業創造研究機構や商工会議所、商工会連合会などの27の支援機関の連携によります中小企業支援ネットひょうごを構築いたしまして、ビジネスに関連する情報提供や相談を総合的かつ迅速に行っております。しかも、ここでは総括コーディネーターのもと、企画、経営、資金、営業などの起業や開業に伴います必要な分野の総合指導も行っているところであります。この総括コーディネーターを中心といたしますひょうご中小企業活性化センターの機能が新しい産業づくりや中小企業の振興に大いに役立ってくれることを期待しております。  また、今後は、産官学の連携も進めながら、初期段階から専門分野に至るまで、IT環境を活用することも含めて、ソフト、ハードの面から起業、創業、新分野の進出等の支援の拡充を行ってまいります。

 

 

3 自動車NOx・PM対策に伴う事業者への支援について

質問 松田一成

質問の第3は、自動車NOx・PM対策に伴う事業者への支援についてであります。  深刻な大気汚染の改善策として、平成13年に改正されたNOx・PM法による車種規制が、この10月から実質的に始まりました。これによれば、一定年式の排出基準に適合しないディーゼル車等の使用を、車検を通さないことで規制するもので、県南部11市2町が対象となります。  さらに本県では、法の措置だけでは環境基準の達成が危惧される尼崎市から神戸市灘区に至る地域で、排出基準に適合しない車両総重量8トン以上のディーゼル自動車等の運行を規制するため、「環境の保全と創造に関する条例」を改正されようとしています。  ディーゼル車の排気ガスに含まれる窒素酸化物――NOx、粒子状物質――PMは、人体や環境に多大な影響を及ぼすと考えられます。汚染のひどい地域では、規制の効果が期待されているところであります。  一方で、デフレ不況のもと、運賃を低く抑えなければならない運送事業者からは、悲鳴も聞こえ、昨年末、兵庫県トラック協会やバス協会などは、県条例の改正案に一斉に反発、事業者向け説明会でも不満は噴出し、「運送業界だけではなく荷主の経済活動にも支障が出る」「車の買いかえに補助が必要」などの意見が出されました。  本県では条例による規制地域を当初案よりも限定するとともに、最新規制適合車の購入について利子補給期間等を充実させた特別融資、担保力の弱い事業者に対する割賦販売制度など、支援策の創設・拡充を打ち出されたところであります。  こうした対応に関しては評価できる一方、事業者には不満や戸惑いがあるのも事実です。特に、NOxとPMの両方の排出基準をクリアする後付装置は、ごく限定された車種を除き実用化はされておらず、対策としては車の買いかえしかないのが実情であります。  県下の事業者の多くは規制対象車両を10台以上保有していると見込まれています。たとえ融資制度等が充実しても、そう簡単には買いかえはできません。業界には資金調達の困難さから、事業の縮小や廃業への不安が広がっているところもあります。  このほかにも、「信用保証協会に融資保証を求めても、経営状態が厳しければ保証は受けられない。さらに別枠の特別融資制度をつくってほしい」、「20年ぐらい車を使う場合もあり、年間使用距離が少ない車は使用期限を延長できないのか」、「新車購入の際のローン期間を拡大してほしい」、また、「環境をいうのであれば、天然ガス車両の普及や支援をさらに図ってほしい」といった声も聞かれます。  これらの中には、制度の趣旨等から対応が難しいものや、必ずしも規制が直接の原因でないものもあるでしょう。しかし、今回の対策を契機に表面化した問題でもあることから、当局におかれては、制度利用や経営相談等に丁寧・柔軟に対応するとともに、事業者の状況を積極的に把握し、支援策の見直しや拡充を図っていただきたいと考えます。事業者への支援に関して、今後どう取り組んでいかれるか、お尋ねをいたします。

答弁 健康生活部長(神田榮治)

 私から、2点お答え申し上げます。  まず、自動車NOx・PM対策に伴う事業者への支援でございますけれども、事業者に対する買いかえ支援策に関しましては、業界団体等からの意見を踏まえまして、新たに規制される大型車について、利子補給期間の5年から10年への延長でありますとか、融資限度額の拡大、あるいは利率の引き下げ、利子補給率を引き上げる特別融資制度を創設するとともに、自動車取得税につきましても、新たに対象になるものについて、軽減措置の拡大を図ることとしております。  また、物的担保提供能力が弱い事業者に対する割賦販売制度や、2年以上早期買いかえの際の補助制度を創設することとしております。  これらの買いかえに対する支援のほか、低公害車の普及については、従前から天然ガス自動車等低公害車導入や、あるいは天然ガススタンドの設置にかかわる補助制度を設けているところでございます。  県といたしましては、条例が制定されましたら、来年10月1日の運行規制開始に先立ちまして、条例制定後、速やかに早期買いかえ、補助制度などの新たな支援を開始いたしますとともに、その活用促進を図るために、制度説明の窓口の設置、あるいは経営相談制度、こういったものを充実いたしまして、事業者ニーズに対応した体制の整備を進めてまいりたいと考えております。  また、平成20年度までに規制の効果の検証とあわせまして、規制内容あるいは支援制度の見直しを検討してまいりたいと考えております。

4 DV(ドメスティック・バイオレンス)対策について

質問 松田一成

 質問の第4は、DV――ドメスティック・バイオレンス対策についてであります。  DV防止法、正式には、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が平成13年10月に施行され、全国で、ことし3月末までに1,571件の保護命令が発令され、昨年末までに保護命令違反による検挙は43件となっております。  同法は被害者の保護に一定の成果を上げてきましたが、一方で、多くの課題も明らかになり、同法附則に盛り込まれた「施行後3年を目途」とした見直しを視野に改正議論が活発化しております。  例えば、ことしの7月、夫の暴力が原因で妻が家を飛び出している間、夫が妻の相談相手である知人を殺害するという事件が起こりました。現行法では、配偶者以外の知人等は保護の対象にされておりません。  加害者が被害者を引き寄せるために、登・下校中の子供を連れ去ったり、被害者の住所を加害者が聞き出すために、親族や知人に暴力を振るったりすることもあります。また、都道府県の支援センターが被害者の女性を一時的に保護する期間は、原則として2週間と短く不十分であるなどと指摘がされているところであります。  先般、我が党は政府に対して、「保護命令で保護される対象を元配偶者、子供、親族及びDV被害者が指摘する者に拡大すること」「退去命令の期間を現行の2週間から1ヵ月への延長」、「接近禁止命令の期間を現行の6ヵ月から1年への延長、もしくは再度申し立ての手続の改善」、「緊急の場合に迅速に発令できる緊急保護命令の創設」などを申し入れたところであります。  本県では、法施行からことし8月までに警察が対応したDV相談は1,130件となっております。数字以上に暴力を受けながら逃れられず、相談もできない人も多いと思います。逃げて見つかることの恐怖、経済的自立の難しさ、家や地域を失うことへの抵抗感などがあります。また、殴られる方にも理由があるなどという言葉は、被害者を一層苦しめている状況でございます。  こうしたことを踏まえ、実態に対応できる法整備とともに、相談、避難・保護、さらに自立に向けた支援策の充実が必要であります。とりわけ自立支援に関しては、一時保護期間終了後の中間的な施設の設置、公営住宅への優先入居など住居の確保や具体的な就職支援等、被害者と子供や家族とを同じ場所で保護ができるよう施設の整備推進などが必要と考えます。県当局における現状と課題認識、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。

答弁 健康生活部長(神田榮治)

 続きまして、DV対策についてでございますが、女性相談センターにおきます配偶者の暴力、いわゆるDV相談は、近年、家庭基盤の脆弱化を背景にいたしまして、14年度は1,534件というように、前年度比で言いますと134.2%と増加しており、また、一時保護につきましても、14年度は246件で前年度比186.4%と急増しております。また、その内容につきましては、経済問題や児童虐待などと複雑に絡んでおりまして、多様化しているところでございます。  これらの対応といたしまして、女性相談センターにおきます夜間相談、あるいは心理判定職員の配置による心のケア、また、民間シェルター等への一時保護委託などの充実強化を図っておりますほか、県民局単位の地域ネットワーク会議等と連携いたしまして、身近で実情に応じた個別支援を行うということをやっております。  また、DV防止法の改正に当たりましては、保護対象の拡大でありますとか、あるいは接近禁止命令の対象の拡大や期間延長、こういった点の見直し要望を行っているところでもございます。  ご指摘のありました住まいや就業等につきましては、就業・生活指導を行います婦人保護施設、あるいは母子生活支援施設等での適切な支援、あるいは母子世帯の公営住宅優先入居の弾力的な運用等によりまして、ケースに応じてきめ細かな対応等を投じているところでございます。  今後とも、関係福祉施設、NPO等の民間支援団体、あるいは弁護士会等と協働した取り組みを一層推進いたしまして、DV被害者の自立支援に向けた総合的な支援に努めてまいりたいと考えております。

5 安全で安心なまちづくりについて

(1) 警察力の重点配分について

(2) 防犯カメラの活用について

質問 松田一成

 質問の第5は、安全で安心なまちづくりについてであります。  近年、我が国の安全神話は大きく崩れ始めています。本県では、昨年の刑法犯認知件数の増加率は全国最悪となり、ことしも7月末現在9万件で、前年同期比約10%の伸びとなっています。一方、検挙率では15.7%と、昨年を上回ってはいるものの、全国平均を6ポイントも下回っております。早急で効果的な治安対策は県民の願うところであります。  そこで、この項の1点目は、警察業務の一部民間委託の活用による警察力の重点配分についてであります。  激増する犯罪に対応するため、警察組織の見直しや、民間企業を見習った業務の合理化を進めるべきであるという議論が活発になっています。その中でも、駐車違反の取り締まりの民間委託は、最も実行に移すべき項目であると考えます。  昨年、全国で取り締まりを受けた駐車違反は172万件、交通違反取り締まり件数の4分の1近くを占めており、レッカー移動数も約42万件に上り、また、110番通報された苦情・要望のうち3割近くが駐車問題に関したものであります。  一方で、取り締まり権限は警察官にしかなく、そのために多大な人員とコストが投入されており、こうしたことは本県でも同様の事実であろうと思います。  総合規制改革会議等からは、治安情勢が悪化している中、駐車違反の取り締まりは民間に任せ、警察力は悪質・重大な事象に注がれるべきであるという指摘がされています。また、ことしの2月、衆議院予算委員会で、国家公安委員長は、駐車違反の取り締まりの民間委託について、ことし中に結論を出すよう検討すると答えています。さらに、警察庁が行ったアンケートでは、民間委託の範囲拡大に賛成とした人は77%に達しています。  一方で、民間委託については、「違反者に対する告知事務は犯罪捜査に当たり、民間委託はできない」、「違反摘発には危険が伴い、引き受ける者はいるのか。また、民間が行う取り締まりに違反者は応じるのか」、「委託した民間組織をどうコントロールするのか」といった指摘もあります。法制面などさまざまな課題があることも確かです。  犯罪を防止し、住民に安心を与えるためには、多くの警察官に町に出てもらう必要がありますが、財政状況などからすれば、大幅増員はそう簡単なことではありません。  また、増員しても、組織や業務等の大幅な合理化を進めなければその効果は薄くなり、県民の理解を得ることも難しいでしょう。  そこで、当局においては、まず駐車違反の取り締まりを民間へ積極的に委託し、さらに治安対策への警察力の重点配分を進めていただきたいと考えますが、ご所見をお尋ねいたします。  この項の2点目は、防犯カメラの活用についてであります。  ひったくりなど街頭犯罪の増加を受け、各地で屋外に防犯カメラを設置する動きが広まっています。  ことし7月、長崎市で起きた男児誘拐殺人でも、12歳の少年の補導につながったのは、商店街に設置された防犯カメラの映像でありました。  警察においては、防犯カメラの設置に関して住民に助言等を行っており、また、他府県では、インターホンと防犯カメラがついたスーパ−防犯灯の設置が進んでいます。スーパー防犯灯については、大阪市の市民アンケートでは、8割を超える人が効果があるとの結果があり、本県においても整備を望むところであります。  一方で、映像による個人情報の流出への懸念、「事件と関係のないところで顧客の情報は出せない。事件のたびにカメラの設置を勧め、安易に画像の提供を求めるのはどうか」と警察の姿勢に疑問を投げかける声も聞かれます。  東京都杉並区では、カメラの運用に歯どめをかけて、プライバシーを保護する目的で監視カメラの使用基準を条例で定めることを検討しています。  しかしながら、我が国の治安が低下している背景には、地域のコミュニティ機能の低下が言われております。そうであれば警察力だけで治安の回復を図るには限界があります。  東京では、住民がワンコイン、500円を寄附し合って防犯カメラを設置する活動が行われていると聞いております。防犯をみずからの問題と考える住民の動きに対しては、警察としても積極的に支援して、適切に誘導してもらいたいと思います。  そこで、警察においては、スーパー防犯灯の整備も含めた防犯カメラの活用について、また、住民に対する指導・助言のあり方や設置費助成などの支援について、どのように考えておられるのか。一方、個人情報の流出などが懸念される中で、条例化等によって使用基準等を定め、警察みずからもその活用範囲等を規制し、透明性を確保する必要があると考えますが、ご見解をお尋ねいたします。

答弁 警察本部長(巽高英)

安全で安心なまちづくりについて、2点お答えいたします。  最初は、警察力の重点配分についてであります。  ご案内のとおり、警察庁では、都市部を中心に常態化しております違法駐車問題の解消を図るため、駐車制度の改革に向け検討を行っているところであります。  また、本年4月、有識者で構成する違法駐車問題検討懇談会に違法駐車に係る制度改革について諮問しておりましたが、去る9月18日、使用者責任の拡充、違法駐車取り締まり事務の民間委託の拡大を柱といたしました提言が警察庁に提出されたところであります。  警察庁におきましては、この提言を受け、年内に道路交通法の一部改正案を作成し、平成16年の通常国会にこれを提出する方向で作業を進めており、法案が可決されますと、平成17年度の遅い時期に改正道路交通法を施行する意向と聞いております。  本県警察といたしましても、県民の違法駐車に関する取り締まり要望等が年々強まっており、より効果的な駐車取り締まり方法が検討されることは好ましいことと考えており、改正法の具体的な中身が示されれば、他府県とも歩調を合わせて準備を進める方針であります。  なお、現時点では、規模、範囲等不透明な要素はありますが、駐車取り締まりの一部を民間に委託することとなれば、省力化された警察力をより悪質・危険な交通違反の取り締まりや引ったくりなど街頭犯罪対策等に重点シフトし、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、防犯カメラの活用についてであります。  防犯カメラは、道路等の公共空間における安全を確保するために非常に効果的であり、現在、商店街、駐車場、共同住宅などへの設置が増加しているところであります。警察といたしましては、自治体や県民に犯罪発生状況などの実態について積極的に情報発信するなどの支援に努めているところであり、被害防止対策等の緊急性や地域住民の意見・要望等を踏まえて、関係機関や団体において防犯カメラの設置を検討されるものと考えております。一方、警察といたしましては、緊急時に警察へ通報できる機能を備えたスーパー防犯灯の設置を検討しているところであります。  防犯カメラには、犯人に対する強い威嚇力があり、公共空間の安全確保に大きな効果がある反面、プライバシーの保護という問題があると指摘されております。東京都杉並区では、条例で防犯カメラの使用基準等の制定に着手したと承知しておりますが、その動向を注視しているところであります。なお、警察における防犯カメラの画像の使用につきましては、厳格な保管取り扱いを徹底しております。  今後とも自治体等の関係機関・団体と連携しつつ、地域の犯罪発生状況や住民の意見・要望等を総合的に勘案して、防犯カメラの設置促進にも配意した諸対策を推進し、安全で安心なまちづくりの実現に努めてまいる所存であります。

6 兵庫津周辺での歴史を生かした街づくりについて

質問 松田一成 

質問の最後は、地元兵庫区における歴史を生かしたまちづくりであります。  近年、都市部では、ドーナツ化現象による人口の減少、活力の衰退が生じているのは周知のところであります。兵庫区も例外ではなく、不景気、さらに震災による活力の低下は著しいものがあります。  兵庫区の沿岸地域は、古くから瀬戸内海有数の港町として発展し、平 清盛の時代には半年間ながらも福原京も設けられ、鎌倉・室町時代にかけ「兵庫津」と呼ばれるようになったわけであります。戦国時代には池田信輝によって兵庫城が築かれ、江戸時代には宿場町としてにぎわい、明治維新後は神戸港発展の基礎となったわけであります。  そして、最初の兵庫県庁は、この兵庫城址に置かれ、初代知事が伊藤博文であったという歴史もあります。  こうした兵庫津周辺の歴史を掘り起こして町の活性化を図ろうと、神戸市では兵庫区歴史花回道構想が推進され、本県でも兵庫の歴史資料館構想が検討されているところであります。また、案内看板の設置や運河を利用したペットボトルいかだ競争が実施されるなど、地元住民や団体等の活発な取り組みが進みつつあり、さらに、地下鉄海岸線の開通、ウイングスタジアムの完成に伴い、サッカーのワールドカップ開催により、訪れる人も徐々にふえつつあります。  一方、初代県庁の地は、明治時代に運河を開削したときに大半が水没し、今はその面影を残すものはありません。わずかに「最初の兵庫県庁の地」と刻まれた石碑が置かれているのみで、地元からは、兵庫県発祥の地に「初代県庁跡」の記念碑を建設してほしいという要望が出されておるところであります。  そこで、兵庫津周辺の歴史を生かしたまちづくりに花を添え、さらなる地域の活性化につなげていくためにも、また、兵庫の歴史を築き上げていただいた先人を顕彰する観点からも、「初代県庁跡」の記念碑をぜひ建設していただきたいと考えます。知事の前向きなご答弁をお願い申し上げまして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

答弁 知事(井戸敏三 )

続きまして、兵庫津周辺の歴史を生かしたまちづくりについてであります。  1868年、明治政府により初代の兵庫県庁が置かれ、兵庫県政の発祥の地となりました兵庫津は、古くは大輪田泊と言われる港であり、平安時代末期、平 清盛により日宋貿易の拠点として整備されて以来、西国街道の拠点であることとも相まちまして、海陸交通の要衝として繁栄し、また、近代におきましても、海運、鉄鋼、造船等の振興により本県の発展に大いに貢献してきました。  現在、兵庫津周辺では、神戸市の兵庫区歴史花回道構想のもと、多彩な歴史的遺産や花と緑を生かした地域づくりが進められています。  ご提案の初代県庁跡の記念碑は、このような取り組みの一環でもあり、震災復興の節目を迎える時期に、改めて本県の歴史を認識してもらうよい機会になるものと考えております。  また、兵庫津周辺は、平成17年のNHK大河ドラマに、宮尾登美子さんの「平家物語」が取り上げられ、これをベースに「義経」が放映されると決まっております。  そうなりますと、この舞台の、大きな一つになると考えられますので、こういう機もとらえながら、神戸市、地域団体等と連携、協力しながら、魅力ある兵庫津を中心とする地域づくりに向けたにぎわいの創出や、地域の積極的なPR活動にも取り組んでまいります。  以上、私からの答弁とさせていただきます。